先日にはシンガポール版のGalaxy Z Flip 5を購入したので開封レビューをしてみました。詳細は「Galaxy Z Flip 5 開封レビュー。世界で最も売れる折畳式機種」をご参照下さい。
さらに今年Samsungにとって主力機種であるGalaxy Z Fold 5を購入しましたが、やはり折畳式機種の中でカスタマイズ性はピカイチという感じです。詳細「Galaxy Z Fold 5 開封レビュー。現行デザイン集大成に相応しい見事な完成度」をご参照下さい。
さて今回今年の最上位モデルであるGalaxy Z Fold 5とGalaxy S23Uの比較レビューをしてみたいと思います。
基礎スペックの差。
販売台数からもそう認知されにくいですがSamsungはGalaxy Zシリーズが同社の主力機種と明言。つまりGalaxy Zシリーズが同社にとって最も力を入れて開発しているシリーズになります。
ただ一方で見ればGalaxy Sシリーズの方が高くユーザーにとっては難しい選択になりがち。初めてのスマホが折畳式機種という人はかなり限定的で通常のスマホから折畳式機種に買い換えるのはありなのかを先に考えた方が分かりやすい。
ざっくり言うと折畳式機種にするとスペックダウンした上で耐久性が下がる一方で価格が高くなることが分かりやすいデメリット。
容量構成の差。
その上で分かりやすいデメリットの一つである基礎スペックから確認していきたいと思います。容量構成は共通してRAM12GBに発売地域にもよりますがストレージオプションも最大で1TB。
そして最新となるUFS4.0に対応した上でSDカードスロット非搭載と共通部分がかなり多いです。また今までは違うことが多かったですが今年でみればSnapdragon 8 Gen 2 For Galaxyを搭載。
発熱とパフォーマンスの持続性の差。
とりあえず発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回してみました。最高スコアでみるとGalaxy Z Fold 5の方が高かったのは意外でしたが僅かな差に過ぎない。
今回は本体を閉じていることもあり放熱性が悪く内部温度もかなり上がっている印象を受けます。ちなみに計測終了のタイミングで外部温度を計測しましたがGalaxy Z Fold 5は40.4/43.5/45.5度に対してGalaxy S23 Ultraは36.3/40.7/42.1度とかなりの差がある。
やはり実際に持ってみてもGalaxy Z Fold 5の方が全体的に熱いという印象を受けます。
ただGalaxy S23 Ultraもサイドフレームを中心に熱くなるのでちょっと不愉快な熱さに感じる。ちなみに海外サイトを参考にするとGalaxy Z Fold 5のパフォーマンスの持続性は50%前後でGalaxy S23 Ultraは65%前後ということもあるのでGalaxy S23 Ultraの方が安定しています。
自分はゲームをやらないため何ともですがGalaxy Z Fold 5は放熱性を考えると本体を開くべき。今回のベンチマークテストにおいても本体を閉じている方が熱が篭りやすく内部温度が上昇傾向。
発熱とのバランスを考えると本体を開いた状態でやるべきでユーザーによっては場所が限定される。パフォーマンスに大きな差があるわけではありませんがGalaxy S23 Ultraの方がパフォーマンスの持続性に優れており発熱も比較的しにくいかなという印象を受けます。
電池持ちの差。
そしてパフォーマンス部分と大きく関わってくる部分として電池持ちでこれは大きな差があります。自分の使い方だと寝る前の電池残量がGalaxy Z Fold 5が50%前後に対してGalaxy S23 Ultraは65%前後のこと多く自分の使い方で60%以下になることはほとんどないです。
海外サイトのバッテリーテストを参考にするとGalaxy Z Fold 5が95に対してGalaxy S23 Ultraは126という感じで大きな差。前モデル対比で電池持ちが大幅に改善したGalaxy S23 Ultraに対して電池持ちが悪化したGalaxy Z Fold 5と大きく違います。
Galaxy Z Fold 5は折畳式機種の中では電池持ちがそこまで悪くないという感じですが通常のハイエンドと比較すると電池持ちは微妙でGalaxy S23 Ultraはハイエンドでトップクラス。
Galaxy Z Fold 5はメインディスプレイとサブディスプレイの使用比率によっても印象が異なる。内部スペース的にも大型バッテリーを搭載しにくいGalaxy Z Fold 5は電池持ちが不利です。
ただ繰り返しになりますがGalaxy S23 Ultraの電池持ちが良すぎるという面もあると思います。ちなみに充電速度に関してGalaxy Z Fold 5は充電開始30分で50%でフル充電に1時間24分。
一方でGalaxy S23 Ultraは充電開始30分で68%でフル充電に59分と圧倒的に速いです。最大45Wで充電するのは本当数分程度ですがそもそも充電平均速度が全然違うという感じです。
パフォーマンスの差よりも電池持ちをどう捉えるかが重要になってくる印象を受けます。
カメラの差
次にスペックで大きな差に繋がっているのがカメラでGalaxy Z Fold 5は単純に不利です。比較対象がGalaxy S23になってくればまた変わってきますがUltra相手だとかなり厳しいです。
Galaxy Z Fold 5がメインカメラセンサーで搭載しているGN5は標準モデルで見ればそこそこ。一方で最上位モデルなどと比較すると小型であることに違いはなく写真や動画の差に繋がる。
まず高照度の環境で写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはGalaxy Z Fold 5にGalaxy S23 Ultraの順番となっているので予めご了承下さい。
今回のサンプルをみる限りだと超広角ではあまり差がないように感じてしまいます。
広角で撮影。
ボケ感はあまり変わらない印象を受けます。
中途半端な照度でもGalaxy S23 Ultraの方が明るく補正されている印象を受けます。
接写してみましたがフォーカス精度はあまり変わらず。ただボケ感に関してはセンサーサイズが大きいGalaxy S23 Ultraの方が強めであることを確認できます。
ポートレートで撮影してみましたが意外と同じ感じで撮影できています。ただGalaxy S23 Ultraはレザーオートフォーカスを搭載しているため被写体にしっかり寄って撮影できるため使い勝手はかなりいいです。
望遠で撮影。
次に1倍で撮影してみました。
Galaxy Z Fold 5にとっては光学となる3倍で撮影しましたがこの時点でノイズが全く違います。
5倍になるとGalaxy S23 Ultraもちょっとノイズが気になります。
10倍になるとその差は一目瞭然という感じです。
15倍/20倍と撮影してみましたがGalaxy S23 Ultraはまだ実用範囲という感じでしょうか。
最後にGalaxy Z Fold 5にとって最大となる30倍で撮影してみましたが全く違います。ズーム撮影に関しては3倍以上から差があるのでズーム撮影に拘る人はGalaxy S23 Ultraという感じです。
超広角(低照度)で撮影。
意外にもGalaxy S23 Ultraの方がフレアがひどいです。
ただこのサンプルだと明るさに大きな差があります。
広角(低照度)で撮影。
Galaxy S23 Ultraの方がフレアが発生しやすい印象を受けます。
こちらのサンプルはあまり変わらず。
思っていたよりも差がない印象を受けます。
望遠(低照度)で撮影。
2倍/3倍/5倍の順番で撮影しましたが5倍になると流石に違う。ただ低照度の環境においてGalaxy Z Fold 5の方が頑張っているというべきなのか。Galaxy S23 Ultraがセンサーを活かしきれていないのか何ともという感じです。
何より一番分かりやすい違いとしてはズーム撮影だと思います。
評価が分かれそうなスペック。
同じGalaxyの最上位モデル同士で比較すれば電池持ちとカメラが大きな差につながりやすいです。
ただこれはメーカーを跨ぐ場合は別で折畳式機種=電池持ちが悪いというイメージが強いですが海外サイトを参考にするとiPhone 14は90でiPhone 14 Proは86であることからもGalaxy Z Fold 5の方がiPhoneの小型モデルより電池持ちが良いということなります。
なので機種ごとに判断する方が良く今回で見ればGalaxy S23 Ultraでは大きな違いがあります。
またユーザー次第だと思う部分もあり一つ目としては耐久性の部分でGalaxy S23 UltraはGorilla Glass Victus 2を両面に採用していますがGalaxy Z Fold 5はサブディスプレイとバックパネルのみで閉じている状態ではフラットディスプレイを採用している分耐久性が高いかも。
一方でメインディスプレイに関してはやはり耐久性が圧倒的に劣るかなという印象です。そしてGalaxy S23 UltraはIP68と防塵性能にも対応していますがGalaxy Z Fold 5は非対応。
砂まみれにするシーンはあまりないと思いますがGalaxy Z Fold 5はヒンジを抱えているので埃や塵などには比較的強くても砂などには弱いのでシーンによっては注意が必要という感じです。
ちなみに防水規格は同じですが共通してお風呂やプールに海などでの使用はNGなので注意が必要。
S-Penの違い。
次に2つ目としてS-Penに両機種とも対応していますがちょっと仕様が異なります。Galaxy Z Fold 3で初めてGalaxy Zシリーズで対応した時はS-Penの先端が軽く凹む仕様。
ただ手持ちにあるGalaxy Z Fold 5用純正ケースについていたS-penはそこまで凹まない。そのためGalaxy S23 UltraのS-Penとそこまで大きく書き心地が変わる感じではないです。
一方でGalaxy S23 UltraはS-Penを内蔵していることもありS-Pen自体がバッテリーを内蔵。本体に収納している時に充電する仕様となっており充電ができるからこBluetooth接続が可能。
そのためS-Penをカメラのシャッターボタン代わりに使えるなどエアーアクションが使えます。その他ジャイロセンサーや加速度センサーを搭載しているためS-Penの向きも測定しています。
なので最新モデルでみるとS-Pen対応機種の中でGalaxy S23 Ultraだけは別格という感じです。
メモ用途して使う分にはGalaxy Z Fold 5でも十分ですがそれ以上を求めたいとなるのであれば現状はGalaxy S23 Ultra一択という感じでここはユーザーの使い方次第に感じます。
Galaxy Z Fold 5のメリット。
スペック全般では劣っている印象があるGalaxy Z Fold 5ですが優れている部分もあります。
スピーカーの差。
分かりやすい部分としてスピーカーで音量を50%に設定して比較テストをしてみましたがGalaxy Z Fold 5はスピーカーグリルを2つ搭載していることもあり音量が全然違います。
Galaxy S23 Ultraも前モデル対比で改善したとはいえGalaxy Z Fold 5には及ばない感じ。やはり大画面でコンテンツを楽しめるからこそスピーカーもしっかりしているのが嬉しいところ。
コンテンツの表示における差。
そして逆にGalaxy Z Fold 5の方が優れていると感じる一つ目がコンテンツの表示です。ブック型の折畳式機種を使う上で最大の特徴とも言えるのがコンテンツをより大きく表示できる。
まず両方とも本体を縦向きにして少年ジャンププラスを開いてみると大きさにかなりの差がある。
Galaxy Z Fold 5は本体の向きを横にすることで見開き表示になるため視認性が改善。さらに見開き表示になったとはいえ1ページあたりの大きさはほとんど一緒という感じです。
Galaxy Z Fold 5ではより大きく表示することも同じ大きさで見開き表示にすることが可能。
そして本体を縦向きでYouTubeを再生してみるとコンテンツの大きさに大きな差があります。
Galaxy S23 Ultraを全画面表示にして本体を横向きにすることで大体同じくらいになります。
ただGalaxy Z Fold 5の本体を横向きにすることでコンテンツはさらに大きく表示が可能です。漫画にしろ動画にしろ基本当たり前と言えば当たり前ですがGalaxy Z Fold 5の方が大きいです。
コンテンツを出来るだけ大きなサイズ感で楽しみたいと思っている人にとってはかなり魅力的。
マルチタスクの差。
次に2つ目としてはマルチタスク機能でマルチタスクを使う人ほど便利に感じると思う。
Galaxy S23 Ultraは最大で2分割にすることが可能ですが本体を縦向きにしても横向きにしてもコンテンツ自体の大きさはほとんど一緒という感じで視認性はあまり優れていない印象。
個人的には片方を固定表示で片方を動的に使うのが一番理想という感じがします。
一方でGalaxy Z Fold 5では同じく2分割にするとやはり視認性は大きく異なる印象です。
本体縦向きの場合は縦長すぎて使い方との相性が出やすいと思いますが本体を横向きにするとそれなりにみやすいアスペクト比で表示されるためマルチタスク自体が使いやすくなります。
さらにGalaxy Z Fold 5では最大で3つまで分割することが可能に加えてフローティング表示も可能となっているため視認性はあまり良いとは言えませんがより多くのユーザーのニーズに応える。
また個人的にはあまりマルチタスク機能は使いませんがタスクバーはかなり便利に感じる。オプションで最大4つまで直近で利用したアプリが表示されるため自分がよく開くアプリにすぐに切り替えが可能とマルチタスク機能を愛用しているユーザーでなくても重宝する機能です。
ちなみにサイズ感は流石に及びませんがGalaxy Z Fold 5はフレックスモードを使うことで画面を上下に分割してコンテンツを楽しみことができスタンド要らずで使えるのが便利です。
最近はマグネットタイプのスタンドを使う人がかなり増えましたがワイヤレス充電する際に邪魔になるのでアクセサリーをあまりつけたくない人にとっては重宝される機能に感じます。
またビデオ通話時などもスタンド要らずで話すことができるので個人的に便利に感じます。
セルフィーのしやすさに差。
そして3つ目としてカメラのデュアルファインダー機能に対応していることでメインディスプレイとサブディスプレイの両方でプレビューを確認できるようになるためリアカメラでセルフィーが可能。
Galaxy S23 Ultraのインカメラは超広角気味と広角気味で撮影できますが画質はインカメラ。一方でGalaxy Z Fold 5はリアカメラで撮影が出来るので画角の切り替えや撮影モードとセルフィーをよく撮影する人ほど重宝する機能に対応しているのは非常に嬉しいところです。
可搬性に差。
Galaxy Z Fold 5の方が多様な使い方ができる一方でさらに魅力なのが可搬性に優れること。折り畳んだ状態だと流石に本体の厚みが4mm近く分厚いですが縦幅も横幅も10mm程度スリムです。
Galaxy S23 Ultraだとポケットに入れるのが厳しい人でもGalaxy Z Fold 5なら入るかも。重さ的にもGalaxy Z Fold 5の方が重いとはいえめちゃくちゃ重さに差があるわけではない。
表示するコンテンツにもよりますが最大で2倍近くの大きさで表示できるのに折り畳めばかなりコンパクトになりちょっと重いけど開けば両手で使うことが前提になるためそこまで感じない。
結局は小型タブレットを持ち運んでいる感覚に近くユーザーの使い方次第で評価が分かれます。ゲームをすることやカメラをバンバン使うこと優先な人はGalaxy S23 Ultra一択ですが自分のようにコンテンツを消費する時間の方が多い人はGalaxy Z Fold 5がありかなと思います。
まとめ
執筆時点で国内における価格は発表されていませんがアメリカでみるとGalaxy S23 Ultraは$1199に対してGalaxy Z Fold 5は$1799と$600の価格差があるので日本円で約8万6000円。
ちなみにドコモオンラインショップでの価格を参考にすると19万8000円なのでアメリカでの価格差を撮影時点での為替をもとに計算した上で加算すると約28万4000円という感じで高いです。
最初にデメリットよりもメリットが魅力的に感じるか判断した上で最終的には価格差で判断。理論的に考えれば折畳式機種なんて高いだけでスペックも価格の割に合わないとなると思います。
ただ通常のスマホはどんなに進化しても根本的な使い方は変わらないですが折畳式機種は使い方自体が変わる可能性を秘めた機種だと思っておりロマンを求める人におすすめしやすい。
とりあえず国内でのキャリアモデルの価格は頑張って30万円以下に抑えて欲しいところです。
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