歴代Xperiaを振り返りつつ。Sonyはどこで道を誤ったのか

先日には香港版のXperia 1Ⅴを購入して開封レビューをしてみましたが、Xperiaが好きなユーザーにとっては堪らない一台になっていると思います。詳細は「Xperia 1Ⅴ 開封レビュー。ずっとこんなXperiaを待ってました」をご参照下さい。

また歴代でも最も完成度が高いGalaxy S23 Ultraと比較してみましたが、ようやくXperiaがGalaxyと勝負できる立ち位置になったとかなりの進化を感じます。詳細は「王者Galaxy S23 Ultra。Xperia 1Ⅴはどれだけ通用するのか徹底比較」をご参照下さい。

さて今回歴代Xperiaの歴史を振り返りつつ、Sonyはどこで道を誤ったのか主観的に推測してみたいと思います。

衰退の開始。

Sonyは長らくエリクソンと手を組んでスマホを開発してきましたが2012年には完全に独立。独立に合わせて新たな命名規則を採用した初代Xperia Zが登場して注目を集めました。

よりSonyらしさが詰め込まれた一台となっており下半期にはXperia Z1とXperia Z1fを発表。

また日本ではdocomoが取り扱いをキャンセルしたことからauが取り扱いを出来たとされているXperia Z Ultraの導入などこの頃のラインナップは個人的にめちゃくちゃ面白かった。

そしてXperia Z2が翌年の上半期に発表され下半期には神機種と呼ばれたXperia Z3の登場。

Xperia Z3は今思えば何か目立った特徴があったわけではありませんが何より安定していた。この頃のAndroidは今のように安定しているわけではなく操作性含めてiPhoneに劣る。

その中でもXperia Z3はかなり安定していたことに加えカッパーの採用が堪らなかった。ただこの辺をピークにXperiaの販売台数は減少傾向となっており翌年にXperia Z4を発表。

海外ではXperia Z3+として発表されていることからもSonyは当初出す予定がなかったのかも。一方でこの当時はキャリア主導で端末が開発されていたこともありキャリアの強い要望で無理やり出した感じだったとも言われています。

無理やり出しただけなら良かったのですが問題だったのがSnapdragon810を搭載していたこと。今やSamsungよりもTSMCの方が安定したSoCを開発/生産できると評価されていますがSnapdragon810はTSMC製です。

結局発熱対策が不十分で写真を数枚撮影するだけで強制終了とかビデオを数秒で録画停止とか正直スマホとして使えないレベルでXperiaだけではありませんが一気にイメージが悪化。

そして下半期にはXperia Z5シリーズを正式発表。Xperiaとしては初めて指紋認証を搭載しておりXperia Z5 premiumは世界初の4Kディスプレイを搭載した機種と話題に。

ただ他社はSnapdragon810を避けてSnapdragon808など前の世代を採用する中Sonyは果敢にもSnapdragon810を継続採用。Xperia Z5 premiumはヒートパイプで発熱対策を強化するなどアピールしていましたが結局のところは発熱に悩まされた感じです。

また今やマット仕上げがトレンドですがSonyはこの当時Xperia Z5でフロスト加工を採用。逆に先取りしすぎたせいかあまり話題になりませんでしたがデザインで差別化していました。

Xperia Z5 premiumの鏡面仕上げもデザイン性ではかなり話題になったのは記憶にあります。Xperia Zシリーズである程度固定化されたのがCompactモデルは下半期に登場すること。

個人的にはオムニバランスデザインの採用など好きなシリーズでしたが結局売り上げ減少を止められずXperia Z5シリーズを最後にXperia Zシリーズは終了する流れになります。

暗黒の3年間。

Xperia Zシリーズを終了させた上でSonyは2016年からSonyはXperia Xシリーズに移行。

日本では当時ハイエンドモデルしか販売されていませんでしたがXperia MシリーズやXperia Cシリーズなどミドルレンジでも様々なシリーズが乱立していたので命名規則の変更に合わせてハイエンドもミドルレンジも同じ命名規則を採用するなど分かりやすく。

Xperia Xを中心にラインナップが再形成されていますがXperia X自体がミドルレンジです。そしてXperia Xの廉価モデルとしてXperia XAシリーズに上位モデルとしてXperia XZが存在。

Xperia XとXperia XZシリーズの大きな違いとしてはSoCでXperia XZシリーズはハイエンド向けのSoCを採用。

大きく3つのラインナップに分かれましたがXperia Xなど最初のラインナップはちょっと中途半端で小型モデルとしてXperia X Compactが正式発表。国内でミドルレンジのXperiaが発売されたのはXperia X Compactが初だったと思います。

そしてXperia Xの上位モデルとしてXperia X performanceは国内でも発売されました。

ただ当時国内は分離プランが導入される前だったので過剰なキャッシュバックなどが行われていた時期であることからも結局国内で展開されるのはハイエンドがメインになります。

中途半端さを感じますがXperia Xは初代で終わり廉価であるXperia XAシリーズは日本で発売されることはなくperformanceが名称に採用された機種は1機種のみで結局その後はXperia XZにXperia XZsと上位モデルの証としてZを採用した機種が展開に。

この当時も売り上げ減少が止まらない状況でしたがXperia XZ premiumはかなり人気だった。Xperiaとしては久しぶりに品切れが続出した機種という感じで日本でも人気がありました。

その後Xperia XZ1シリーズはちょうどいいサイズ感に安定性と今でも評判がいい機種です。

何よりこの当時Sonyはアップデートにも力を入れておりサポート期間自体は短いですがメジャーアップデートの迅速な配信に尽力しておりXperia XZ1はアメリカでAndroid8.0を標準搭載して発売された初の機種になるなど最新OSをいち早く試せると差別化も出来ていました。

ただ賛否両論が激しいXperia XZ2シリーズの登場でアンビエントフローの採用。2018年の後半に発表されたXperia XZ3も同様に採用しておりこの時期は迷走とも言われます。

Sonyが後に認めているようにXperia Xシリーズのコンセプトは間違っていた。そこそこの値段でそこそのスペックを搭載していれば売れると市場を読み違えた結果惨事に。

またこの頃から半年ずつに後継機種を出すのはやめるべきだと批判されていましたが上手く変更もできませんでした。

例えばSamsungで見れば上半期にGalaxy Sで下半期にGalaxy Noteと同じフラッグシップでも異なるシリーズを発表していましたがSonyの場合は上半期にXperia XZ2で下半期にXperia XZ3と半年でのアップデートと大きく違います。

結局は市場のニーズの読み間違えに製品サイクルの変更が出来なかったことが大きく新シリーズに移行したとはいえほぼ3年間業績を全く改善できなかったことになります。

歴代最も好調なシリーズに。

またXperia Xシリーズを発表した際に同シリーズを最低でも3年継続することを明らかに。そして2018年にはモバイル部門のトップが岸田さんに代わり大胆な構造変更を実行。

モバイル部門は5Gなど通信関連の基礎技術を発展させるために撤退しないことを明らかに。

ただ一方で撤退しないとはいえ大赤字は良くないので当時生産拠点だった北京工場を閉鎖してタイに移動した上で優先市場の設定などマーケティングの精度をより上げた上で不採算地域からの撤退に加え2000人を超える人員整理などを行い岸田さんが就任してから僅か2年で黒字化を達成。

また製品自体のコンセプトも見直しており一般受けをやめた上で自分たちが作りたいものを作るとしたうえで2019年に登場した新シリーズは1から生まれ変わるという意味でXperia 1という名称を採用しておりアスペクト比21:9を採用するなど刷新に。

またカメラを複数搭載するのに抵抗があったみたいですがデジカメで画角に合わせてレンズを交換するのと同じように画角が異なるシングルレンズカメラを3つ搭載するという考えからXperia 1ではXperia初のトリプルレンズカメラを搭載に。

また上半期はXperia 1とXperia 10シリーズで下半期にはXperia 5シリーズとずっと問題視されてきたラインナップもプレミアムモデルとコンパクトモデルと別シリーズに分離したことで改善されています。

あとは他社と徹底的に違うのは販売台数を最優先しているのではなく少ない販売台数で最大限の利益を確保できるように方針転換。

Xperia 1はヨーロッパで想定以上に売れたみたいですが思い切った増産はせず在庫管理含めて最小限に留めたと言われているくらい販売台数の拡大を優先していないです。

またSonyの部門編成もありSony内部で部門同士の連携がしやすくなりSonyの強みをXperiaに活かしやすい環境が構築。

結果カメラはαシリーズ譲りの機能が搭載されるなどスマホに求められるカメラの進化をしてないないかもしれませんがデジカメユーザーがセカンドカメラとして気軽に使えるカメラとして進化をしている途中という感じです。

FCNTが実質破綻したことを考えるとどんなに販売台数が出ても単価が安いと継続しない。また中華メーカーのように超大量生産で規模の経済の効果が薄いことを考えると今のハイエンドを中心にした利益優先の戦略は個人的に正しいと思っています。

またこの前イベントに行って思ったのは素人目線でよくある批判は基本開発段階で試している。その上でコストなど様々な観点から採用/不採用を決定していることでその時の最適解を選択。

現状Xperia 1Ⅴと第五世代まできましたが来年も継続するのか気になるところです。仮に継続するのであればSonyにとって歴代で最も調子のいいシリーズということになります。

まとめ

今回はXperiaの歴史を振り返りつつどこで道を誤ったのか簡単にまとめてみました。もちろん良い機種もありましたが2016年から2018年の3年が特に暗黒時代なのかもしれません。

今後もSonyがやりたいことを最優先した上で販売台数に捉われず継続してほしいところです。

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