一部情報によると当初は3月26日に発売予定だったPixel 9aですがまさかの発売が延期になりました。Googleによるとコンポーネントの品質問題から一部個体に問題が発生して延期されたとの話です。
今回GoogleさんからGoogle Pixel 9aをご提供頂いたので開封レビューをしてみたいと思います。
開封。
まず開封をしてきたいと思いますが従来のPixelと同じくシンプルな化粧箱となっています。またPixel 9シリーズの時と同じくプラスチックフリーとなっているので環境にも配慮しています。
そして付属品を確認するとUSB-C。
そしてSIMピンに説明書と非常にシンプルでちょっと寂しいくらいです。ちなみにGoogleの公式サイトを確認すると最大速度で充電するには純正の45Wアダプターが必要です。
とりあえずバッテリー容量が地味に多いので電源アダプターがしょぼいと充電に時間がかかります。なので少しでも速く充電をしたいと思う人は電源アダプターも見直した方がいいと思います。
フィルムを確認。
そして開封と合わせて確認したいのがフィルムで今回もお馴染みのSpigen製を購入しました。
EZ Fitタイプなのでガラスフィルムと貼り付け用のガイド枠が一体化したタイプで便利です。
とりあえず自分のように不器用な人である程度品質に拘りたい人には絶対的におすすめです。
生体認証を確認。
またフィルム選びで難しい部分として生体認証でPixel 9aはクラス3に対応した顔認証に対応しています。支払い時や銀行系のアプリでも顔認証を使えるので2D顔認証としてはセキュリティは高めです。
一方で相性が出やすいのが指紋認証でコストカットのためか光学式画面内指紋センサーを搭載しています。やはりPixel 9シリーズが搭載している超音波式画面内指紋センサーと比較すると感度が悪いです。
ただ屋内だと気になりませんが屋外だとPixel 8aよりPixel 9aの方が認証がスムーズに感じます。
何より自分の指紋+Spigenのガラスフィルムの組み合わせだと全く問題なく認証してくれます。とにかくフィルムを選ぶ時はガラスやTPUの前に指紋認証対応と記載されている物を選ぶべきです。
その上で指紋の状態と相談しつつTPUかガラスフィルムで選択するのがありかなと思います。
デザインを確認。
次にデザインを確認していきたいと思いますが一番分かりやすく変更された部分なのかなと思います。
本体上部を確認するとマイクにアンテナスリットくらいで本体左側面はアンテナスリットくらいです。
そして本体右側面を確認すると音量ボタンと電源ボタンで他社と比較すると搭載位置が逆です。
最後に本体下部を確認するとUSB-CにマイクにスピーカーグリルにSIMトレイを搭載しています。サイドフレームはアルミを採用しておりマット仕上げなので質感は高めという印象を受けます。
そしてバックパネルを確認すると混合素材を採用していますがざっくりといえばプラスチックです。マット仕上げを採用していることからも質感は高めで下手に中途半端にガラスを採用するよりも耐久性が高い可能性がある上に本体の軽量化に貢献している可能性があるのかなと思います。
Pixel 8aと比較。
そしてここからPixel 8aと比較してどのように進化したのかざっくりと確認したいと思います。本体サイズを確認すると縦幅が2mm程度増して横幅が1mm弱増して本体の厚みは変わらずです。
実際に持った感じとしてはPixel 9aの方がデカいのに軽いからこそ余計に軽いと感じやすいです。
一方でデザインとしてみるとPixel 9aはサイドフレームがフラット化されたことで洗練した印象を受けます。ただ前モデルと比較すると横幅が増したこともあり手のフィット感はちょっと悪くなったと思います。
正直ここはユーザーの手の大きさ次第で自分の手の大きさだとほぼ誤差の範囲で気にならないです。
そして本体背面においてもPixel 9aはフラット形状を採用したことでかなりスッキリした印象を受けます。個人的にはPixel 9aの方が全体的に洗練された印象ですが好みが分かれる部分としてカメラです。
Googleによるとデザイン言語というわけではないと前置きしつつもPixel 6シリーズから採用しているデザインは第3世代としており大きな特徴の一つとしてカメラフレームだと思います。
ただPixel 9aはその特徴であるカメラフレームが完全になくなったので個人的には違和感があります。
もともとPixel 8aの時点でカメラフレームはデザインに統一性を持たせるだけのために採用していたようにも見えるためPixel 9aでなくなっても正直影響はないのかなと思います。
一方でカメラフレームがなくなって完全にフラットになったかと思いきやカメラバンプはあります。デザインへの配慮なのか表面がドーム型になっており気になる人は気になるのかなと思います。
レンダリング画像で初めて見た時はかなりショックでしたが実機を見ると悪くはないと思います。ただ好みが分かれるデザインかなと思っていますがこんなことを気にするのは自分のようなオタクだけだと思います。
Pixel 9をベースにしていることもあり全体的に質感が高めで安っぽさは感じにくいのが良いです。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイを確認していきたいと思いますがディスプレイサイズは大型化しています。Googleはコストカットのために大型化したのか不明ですがパンチホールデザインは共通です。
またベゼルに関しても前モデルと同様に太めでデザイン面でみれば安く見える要素かなと思います。ただ自分の周りでみるとベゼルの太さを気にしている人が全然いないので問題ないのかなと思います。
個人的にはベゼルの太さよりもGorilla Glass 3から進化しなかったのがかなり残念でした。やはり耐久性のことを考えるとスクリーンプロテクターは用意した方がいいのかなと思います。
アスペクト比に最大120Hz表示は一緒で表示解像度はディスプレイサイズの大型化に合わせたのか僅かに強化された感じですが実使用の部分でみると前モデルとほぼ一緒と考えた方がいいです。
コンテンツの表示を比較。
そしてYouTubeを再生してみると本当に僅かですがPixel 9aの方が色がくっきりした印象です。スペック的には変わらないのでちょっとよく分からないですがチューニングが違うように見えます。
ディスプレイ輝度を比較。
またディスプレイの視認性に直結する部分としてディスプレイ輝度ですが地味に底上げされました。あくまでもスペックでみるとPixel 9aのディスプレイ輝度はPixel 9と全く一緒という感じです。
そして海外サイトを参考にするとPixel 8aは自動調節で1508nitsでPixel 9は2232nitsです。執筆時点で海外サイトがPixel 9aのテスト結果を公開していないので結果待ちの状態ですが2000nits前後の明るさを記録する可能性がありフラッグシップモデルと比較してもトップクラスです。
実際に屋内で比較してみると本当に僅かですがPixel 9aの方が明るく見える時が多い印象です。一方で屋外になると明らかにPixel 9aの方が明るいこと確認できるため進化を実感しやすいです。
ディスプレイ全体でみるとベゼルの太さやGorilla Glass 3の採用など古臭い部分もあります。ただディスプレイはコストがかかりやすい部分だからこそGoogleは実用性に直結する部分であるリフレッシュレートやディスプレイ輝度を強化して全体的な実用性を担保していると思います。
基礎スペックを確認。
そして基礎スペックを確認していきたいと思いますがAndroid15を標準搭載しています。Googleは第2四半期にAndroid16を公開することを明らかにしているのでPixel 9aに関しても発売してからそんなに待たずAndroid16にアップデートすることが可能になるかなと思います。
また最大7年のアップデートサポートに加えGoogle VPNに対応しているのでライトユーザーが安心して出来るだけ長く使いたいというニーズをしっかり満たしているミドルレンジだと思います。
容量構成を確認。
そして容量構成を確認するとRAMは前モデルと一緒の8GBですが規格自体は強化されています。一方でRAM不足が原因なのかPixel 9aはGemini Nano XXSを統合しており上位モデルのようにAI Coreを常駐させておらず必要に応じてRAMにリロードされる仕様と地味に違います。
なのでGoogle AIをしっかり使いたいと思う人ほど処理速度や起動速度の差が気になるかもしれません。とはいえライトユーザーがAIを積極的に使うというフェーズに入っているわけではないからこそGoogleもRAM8GBに留めている可能性があり実使用の部分においてはほぼ問題ないと思います。
少なくともGeminiで音声検索している限りでは上位モデルと明確な差を感じるわけではないです。
そしてストレージオプションに関して国内でもようやく256GBモデルが用意されたのは嬉しいところです。ただコストカットのためか仕方ないと思いますがUFS3.1なので処理速度はそこまで速くないです。
パフォーマンスと発熱。
次に発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回して負荷をかけてみました。ちなみに分解動画をみる限りPixel 9 Proなどと同じくベイパーチャンバーを採用して発熱対策を強化しています。
スコアで見るとPixel 9aの方が一応高いですがそこまで気になるようなスコア差ではないです。
そして計測終了ごとに外部温度を計測してみましたがPixel 9aは35.4/35.3/36.5度でPixel 8aは33.3/35.7/36.6度とPixel 9aの方が僅かにですが外部温度が高いです。
ただPixel 9aは開封初日に計測していることを考えると割と安定している印象を受けます。そして持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
トップスコアでみるとほとんど変わらないですが安定率はPixel 9aの方が僅かに上という感じです。あくまでも開封初日の印象ですがPixel 9などと同じくGoogle Tensor G4でアプリの応答速度などが最適化されたことでPixel 9aの方がより滑らかに動作することを確認できます。
少なくとも日常使いにおいても地味に動作が滑らかになっているので満足度が地味に違います。ターゲットとなっているライトユーザーにとっては十分な操作性を実現している印象を受けます。
バッテリー関連を確認。
バッテリー関連を確認すると前モデルから僅かに筐体が大型化したとはいえバッテリー容量が一気に増加しており1世代でよくここまで容量を増やすことが出来たなという印象を受けます。
少なくとも現時点でPixel史上最大容量のバッテリーを搭載しているのが大きなポイントです。また公式サイトを確認するとPixel 8aは24時間以上のバッテリー駆動時間と表記しています。
一方でPixel 9aに関しては30時間以上のバッテリー駆動時間でしっかりと底上げされています。またスーパーバッテリーセーバーモードでPixel 8aは最大72時間に対してPixel 9aは100時間とこちらも底上げ。
一方でPixel 9やPixel 9 Proもスーパーバッテリーセーバーで最大100時間と一緒です。
電池持ちは今後しっかり使って様子見が必要ですが公式サイトでみるとPixel 8aよりは改善しています。ただPixel 9シリーズと比較するとそこまで電池持ちが変わっていないのかなと思います。
この感じだと海外サイトのバッテリーテストで13時間前後のスコアを獲得するかなと思います。そして充電速度に関してPixel 9aはバッテリー容量が増加した影響か23Wに強化されています。
ちなみにPixel 8aは充電開始30分で33%でフル充電に要した時間は2時間9分となっています。おそらく有線における充電時間は同程度ですがワイヤレス充電は変わらずなので結果遅くなります。
廉価版なので仕方ないと思いますが充電速度がバッテリー容量に対してちょっと遅いのが残念です。
またちょっと話題になっている部分としてPixel 9aのバッテリーヘルスアシスタント機能です。Googleによると充電回数が200回を超えると最大電圧を段階的に制御することを明らかにしています。
少なくともGoogleはバッテリーへの負荷を出来るだけ避けて長持ちさせる狙いがあると思います。こればかりどれだけの恩恵があるのか不明ですがライトユーザーにマッチする機能かもです。
その他を比較。
その他防水防塵はIP68に強化されておりイヤホンジャックなしは前モデルから一緒です。そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみました。
Pixel 9aの方が音がはっきりした印象ですが音の深みはPixel 8aの方がよく聞こえます。なのでPixel 9aの方が聞きやすいスピーカーになったと思いますが音質はちょい劣るかもしれません。
カメラを確認。
次にカメラを確認していきたいと思いますが超広角とインカメラに関しては前モデルと一緒です。ただ超広角に関してはマクロ撮影に対応したのは地味に嬉しい進化ポイントかなと思います。
一方で気になる部分として広角は前モデル対比で画素数が下がった上でセンサーも小型化しています。とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはPixel 8a/Pixel 9aの順番になっているので予めご了承下さい。
本当に僅かですがPixel 9aの方が明るく補正されている印象を受けます。
広角で撮影。
次に変更された広角ですがPixel 9aの方がちょっと青みが強くなったように見えます。
接写してみましたがPixel 9aの方がセンサーサイズが小さいこともあるのか被写体に寄りやすいです。
色味が全然違うことを確認することができPixel 9aの方がより天気が悪いように見えます。
ポートレートで撮影。
次にポートレートですがPixel 9aは最低倍率が1.5倍に対してPixel 8aは1.7倍となっています。
倍率の違いもあると思いますがPixel 9aの方がフォーカスは合わせやすいです。
次に2倍で撮影してみました。
2倍程度であればフォーカス精度含めて全体的に大きな差はありません。
ズームで接写
次に通常モードで撮影してみましたがPixel 9aがパリッとしている感じです。
やはり2倍程度であればほぼ差がないと判断してもいいかもしれません。
次に5倍で撮影してみましたがPixel 8aの方が圧倒的にフォーカスを合わせにくかった印象です。
Pixel 9aはメインカメラセンサーが小型化したことでズーム性能に結構差が出るかと思いきや意外と頑張っている印象です。
望遠で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
次に5倍で撮影してみましたがPixel 9aの方が僅かにノイズが多い印象を受けます。
最後に最大となる8倍で撮影してみましたがPixel 9aの方がノイズが多い印象を受けます。
超広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境で手持ちかつナイトモードでサンプルを撮影してみました
ノイズなどはほぼ一緒に見えますが白飛びやフレアはPixel 9aの方がしやすい印象を受けます。
広角(低照度)で撮影。
思っていたよりもPixel 9aはノイズが少ない印象を受けます。
センサーが小型化した影響をほぼ確認できない感じです。
ただ強い光源があるシーンだとPixel 9aの方が暴走気味です。
望遠(低照度)で撮影。
まずは2倍で撮影。
次に5倍で撮影してみましたがPixel 9aの方が僅かにノイズが多い印象を受けます。
最後に8倍で撮影してみましたがズームがからむとPixel 9aの方が不利という印象を受けます。とはいえGN8を搭載したことで明確に劣化したという印象は受けません。
アクセサリーと価格。
最後に今回本体に合わせて純正ケースもご提供して頂いたのでざっくりと確認したいと思います。化粧箱は本体と同様にプラスチックフリーとなっており燃えるゴミにそのまま捨てられます。
ケース自体はちょっと分厚めですがその分耐久性をしっかり担保してくれているのは嬉しいところです。
またPixel 9aはカメラフレームがなくなったこともありケースを装着するとカメラ部分が凹んでいる感じにみえケース自体は外側がおそらくシリコンで内側はプラスチックを採用しています。
またケース自体の重さを測ってみると33gなのでこの手のケースでは軽くも重くもない感じです。
そしてケース+ガラスフィルム+本体だと229gなので一般的な大型モデルと同程度の重さです。
どうしてもケースをつけると取り回しが悪化しますがしっかり保護してくれるのは嬉しいところです。
またPixel 9aはGorilla Glass 3だからこそケースは出来るだけ装着するのがおすすめです。ちなみにGoogle Storeにおいて純正ケースは4色展開で税込で4900円とちょっと高いかなと思います。
すでに予約開始。
そして多くの人が気になる価格ですがGoogle Storeにおいて128GBモデルが7万9900円です。アメリカ現地価格で据え置きになっているとはいえ国内でみれば前モデルから7000円の値上げになっています。
ただ税込で1ドル150円くらいの計算なのでこれまでの為替状況を考えると頑張ってくれた感じです。一方でこんなことを言ったら怒られそうですがGoogleはセールを活かしてなんぼだと思います。
期間内に購入することで1万5000円分のストアクレジットが貰え下取りで最大条件を満たすと2万5100円の払い戻しがあるため実質3万9800円から使えることを考えると文句も言えないです。
ストアクレジットだけでも6万4900円なのでこの価格だけでも十分に競争力があると思います。
まとめ。
今回はPixel 9aをご提供して頂いたのでPixel 8aとの比較レビューをしてみました。ターゲット層が重視している安定性の部分をしっかり底上げしてきたのは嬉しいところです。
何よりライトユーザーのニーズをしっかり満たしている機種で安心して使えるのが大きいです。スペックで見れば物足りない部分も多いですがこの価格なら文句もあまりいえない感じです。
デザインは好みが分かれそうですがライトユーザーのニーズをしっかり満たした機種だと思います。
製品提供:Google Japan