高いのは伊達じゃない。Xperia 5ⅤとZenfone 10 コンパクト比較レビュー

先日には香港版のXperia 1Ⅴを購入して開封レビューをしてみましたが、Xperiaが好きなユーザーにとっては堪らない一台になっていると思います。詳細は「Xperia 1Ⅴ 開封レビュー。ずっとこんなXperiaを待ってました」をご参照下さい。

一方で先日にはXperia 5Ⅴの香港版を購入してみましたがネットで言われている人ほど悪くない印象で、Xperiaらしさがコンパクトな筐体に上手くハマった良機種という感じです。

詳細は「Xperia 5Ⅴ 開封レビュー。シンプルで分かりやすい進化を遂げた良機種」をご参照下さい。さて今回ハイエンドコンパクトモデルとして注目度が高いXperia 5ⅤとZenfone 10の比較レビューをしてみたいと思います。

デザインを比較。

最初に今回比較するにあたって価格は考慮しておらずハイエンドコンパクトモデルの立ち位置から比較しているので予めご了承下さい。最初にデザインを確認すると縦幅では大きな差があります。

ズボンのポケットや胸ポケットに入れたいから出来るだけ小さい方がいい人にはZenfone 10です。

一方で実際の持ち比べをしてみるとXperia 5Ⅴの方が重いですが取り回しの差はあまりない。横幅が一緒だからこそZenfone 10は9.4mmと本体の厚みが地味に気になるという感じです。

iPhone 15とXperia 5ⅤだとiPhone 15の方が横幅があっても手に馴染む感じでした。ただZenfone 10をXperia 5Ⅴと比較すると自分の手ではあまりしっくり来ないという感じです。

もちろんZenfone 10の方が軽く全体的にコンパクトですがXperia 5Ⅴの方が薄いせいか手にまだ馴染むという感じで案外Zenfone 10は他社の機種と比較すると手に馴染まない感じです。

正直ユーザーの手の大きさによっても印象が変わるので店頭で触れてほしいところではあります。ただZenfone 10はあくまでもXperia 5Ⅴと比較した場合思っていたより手に馴染まないです。

デザインを確認するとXperia 5Ⅴはバックパネルにガラスを採用していますがZenfone 10はプラスチックで表面を特殊加工。質感は好みが分かれるところだと思いますがZenfone 10がプラスチックだからといって安っぽさは感じない。

ASUSによると本体の軽量化を優先するためにプラスチックを採用したことを明らかにしており耐久性もガラスよりは優秀なのかもしれません。少なくとも落とした時にガラス特有の全体にヒビが広がるみたいな割れ方はしかないかもです。

カメラデザインに関しては主張が激しいZenfone 10とちょっと中途半端に感じるXperia 5Ⅴ。Xperia 5Ⅴのカメラデザインは相当批判的な意見が多いですがZenfone 10の方が好みが出る。

両機種とも光沢仕上げではないため指紋は目立ちにくいですがZenfone 10は汚れがつきやすい。

フロント部分を確認するとZenfone 10はパンチホールデザインを採用しているためベゼルは全体的にスリムですが上下で不均等。一方でXperia 5Ⅴは上下左右ともZenfone 10より太め。

ただ実際に使っている時は全く気にならず使っていない時も画面が消えていれば気にならない。

正直比較する前までは前モデル対比で重くなったXperia 5Ⅴの方が取り回しが悪いと思っていた。ただ実際に比較してみるとZenfoone 10の厚みが気になり取り回しにあまり差がない印象。

とはいってもZenfone 10の方が物理的に小さいことに違いはないという感じです。

ディスプレイを確認。

次にディスプレイですが横幅が一緒のためコンテンツの大きさなどはほとんど一緒という感じ。ただXperia 5Ⅴの方が縦長であることから一度に表示できる情報量は僅かに多いです。

気になる部分の一つ目としてディスプレイ輝度で海外サイトのディスプレイテストを参考にするとZenfone 10は手動調節で442nitsで自動調節で807nitsに対してXperia 5Ⅴは手動調節で647nitsで自動調節で最大875nitsでスペックでみるとXperia 5Ⅴの方が僅かに明るい。

屋外で使う分にはほとんど差が分からない感じですが屋内だと地味にXperia 5Ⅴの方が明るい。次に2つ目としてリフレッシュレートですが両機種とも共通して可変式には非対応です。

Xperia 5Ⅴはオプションでオンにすると表示できるコンテンツは全て120Hzで表示します。一方でZenfone 10は4つのモードからリフレッシュレートを選択することが可能で基本は自動です。

段階式となっており自動の場合は90Hzもしくは120Hzで動作していることが多いです。一方で最大144Hzに対応していますがこれはゲーム時のみで日常の使い方では最大120Hzで表示。

一応Zenfone 10の方がXperia 5Ⅴより細かく設定はできますが可変式じゃないのが惜しい。実際に使っているとどちらも十分に快適という感じで個人的には自動で十分に感じます。

YouTubeなどを再生してみるとZenfone 10のアスペクト比が20:9ということもありシネマライクな動画の方が相性がいいですがパンチホールデザインのためコンテンツが欠けます。

一方でXperia 5Ⅴは黒帯が発生することはあってもコンテンツが欠けることはない感じです。

Zenfone 10は国内でアクセサリーの種類が充実している感じではなくフィルムも個人的には微妙。その影響もあるせいかXperia 5Ⅴの方がコンテンツの消費は優れている印象を受けます。

基礎スペックを確認。

そして基礎スペックを確認していくとAndroid13の標準搭載にメジャーアップデートが2回は共通。ただセキュリティアップデートはZenfone 10の方が最大4年のため僅かに長いという感じです。

コストカットのためなのかZenfone 10はドコモのn79にB21非対応なところが残念です。折角安くて売れそうな機種なのにバンドが最適化されていないのは地味に痛いという感じです。

一方でZenfone 10は物理のDual SIMでeSIMに非対応でXperia 5Ⅴは物理SIM+eSIMです。どちらがいいかはユーザー次第でXperia 5ⅤはDual SIM+SDカードでも使えるのがポイント。

容量構成を確認するとZenfone 10はストレージオプションが非常に豊富なのが特徴です。また最上位モデルでそこまで選択肢がないRAM16GB/ROM512GBのオプションがあるのはすごい。

ストレージ規格においてZenfone 10はUFS4.0に対応しているのでより高速な処理が可能。Xperia 5ⅤはSDカードスロットを搭載しているとはいえキャリアモデルは128GBのみ。

そして直販版でようやく256GBという感じなのでZenfone 10と比較すると寂しく感じます。SDカードスロットを搭載しているからかストレージオプションがないのか気になるところ。

そして発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回してみました。

ハード的な発熱対策はXperia 5ⅤよりZenfone 10の方がかなり気合が入っています。放熱性が優れていると評価するべきだと思いますが一方で本体はめちゃくちゃ熱くなります。

計測終了ごとに外部温度を計測しますがZenfone 10は40.6/45.2/49.4度に対してXperia 5Ⅴは36.8/38.3/38.7度と発熱した時の不快度は圧倒的にZenfone 10です。特にサイドフレーム部分がかなり熱くなるので持っているのがつらいと感じる時もあるくらい。

ただ一方でスコアを見ても安定しておりパフォーマンスの持続性はかなり優秀です。Xperia 5Ⅴは発熱すると早めにスロットルダウンをかけるためパフォーマンスの持続性は悪い。

どんなに発熱しても使いたい時に使えるのが正義と考えるべきかどうかで評価が分かれそう。個人的にはゲームをそこまでやらないためZenfone 10でもひどい発熱はあまり遭遇しないです。

ただカメラ撮影時は心配になるくらい発熱していたので内部が故障するのでは不安になります。これから外気温が下がるため発熱しにくい時期になるので来年の夏がある意味本番なのかも。

Xperia 5Ⅴのゲームエンハンサー機能のようにZenfone 10もゲーム機能に力を入れている。パフォーマンスで見ればZenfone 10の方が快適だと思いますが給電機能がないのは残念。

そしてバッテリー関連ですがZenfone 10はこの筐体サイズであることを考えると電池持ちは優秀。ただXperia 5Ⅴが異常で海外サイトのバッテリーテストにおいて130と圧倒的なスコアです。

自分の使い方だとXperia 5Ⅴは平日であれば70%以上は残っているのでめちゃくちゃいいです。電池持ちを優先するのであればXperia 5Ⅴを選んでおいた方が間違いないと思います。

ちなみに海外サイトを参考にするとZenfone 10は充電開始30分で60%でフル充電は1時間21分。一方でXperia 5Ⅴは充電開始30分で50%でフル充電に1時間33分とスペック的に充電速度は一緒。

ただバッテリー容量の差を考えると僅かにXperia 5Ⅴの方が平均充電速度が速いのか両機種ともバッテリーケア関連の機能も充実しているのでユーザーのニーズに合わせられる。

そして生体認証は共通して電源ボタンに統合された指紋認証を搭載しています。基本指紋認証を連続で使うことはありませんが連続認証で見ればZenfone 10の方が快適。

またどちらもオプションで設定できますがXperia 5Ⅴは指紋センサーの感度が良すぎで触れるだけにしておくと誤反応が多発するので押し込み式に変更して使っています。

ちなみにZenfone 10は2Dとはいえ顔認証にも対応しているので汎用はより高いと思います。

そして音量を50%に設定してスピーカーテストをしてみました。音量に関してはZenfone 10が大きいというか比較して思うのがXperia 5Ⅴの音量が小さいです。一方で音質に関してはXperia 5Ⅴの方が音の輪郭がはっきりしているように聞こえます。

好みが出る音質の差という感じですが何よりXperia 5Ⅴの音量の小ささが地味にマイナスです。一方でXperia 5Ⅴはほとんど共振がないのに対してZenfone 10ははっきりとあります。

結局のところ音量に音質を担保しつつも共振を抑えるのがすごく難しいのかもしれません。

カメラを確認。

最後にカメラを確認したいと思いますが両機種ともメインカメラはピクセルビニングを採用。Zenfone 10はメインカメラセンサーに1/1.56インチのIMX766で超広角はOV13Bを採用。

一方でXperia 5Ⅴは1/1.35インチであるIMX888に超広角は1/2.55インチのIMX563を採用。超広角に関してZenfone 10はコストカットなのかオートフォーカス非対応なのが大きな差。

また望遠レンズは両機種とも非搭載でXperia 5Ⅴは最大で6倍に対してZenfone 10は8倍です。とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。

超広角で撮影。

今回のサンプルはXperia 5Ⅴ/Zenfone 10の順番になっているので予めご了承下さい。

Zenfone 10自体はあまり過剰な補正をしないイメージですがXperia 5Ⅴと比較すると補正がちょっと強めです。2枚目に関しては特に補正が強く塗り絵みたくなっているように見える。

広角で撮影。

やはりZenfone 10の方が明るめに補正されている。

ちょっと画角がずれてしまいましたがフォーカス精度はどちらもいい感じです。

センサーサイズの差からもXperia 5Ⅴの方がボケ感が出やすい一方で、センサーサイズが小さいZenfone 10の方が最短撮影距離も短くて使いやすいです。

ポートレートで撮影。

Zenfone 10の方が寄って撮影できる一方で色の補正はかなりきつめという感じです。

Xperia 5Ⅴでポートレートはかなり改善した印象ですが最短撮影距離が長くなるなど取り回しの悪さがちょっと惜しいなという印象です。

望遠で撮影。

最初に1倍で撮影してみました。

次に高画素を活かした実質光学2倍撮影ですがZenfone 10の方がわかりやすい写真に見える一方で色潰れしているようにも見えます。

そしてXperia 5Ⅴにとって最大となる6倍で撮影してみましたが時計の部分はZenfone 10の方がクリアに撮れているように感じる一方で周囲のノイズなどはあまり差がない印象を受けます。

一応2倍で撮影してみました。

ちょっとZenfone 10の方がセンサーサイズの差があるのかノイズが多い印象を受けます。

そしてポートレートかつ2倍で撮影してみました。

Zenfone 10の方が2倍でも寄れるので扱いはしやすかったですがボケ感となるとちょっと物足りないかなという印象です。あと地味に気になった部分としてZenfone 10は撮影後の画像処理がちょっと遅いという感じです。

Xperia 5ⅤもたまにもたつくことがありますがZenfone 10は常に遅いという感じで取り回しがしやすいカメラなのに画像処理の遅さでちょっと扱いにくいカメラになっているという印象です。

次に低照度の環境においてXperia 5Ⅴはシーンによって夜景モードが自動でトリガーされる。Zenfone 10のように夜景モードを選択することが出来ないのでちょっと汎用性が低いです。

低照度において写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。

超広角(低照度)で撮影。

Zenfone 10の方がまだ白飛びが抑制されていることを確認できます。

本当に暗いシーンだとどちらも厳しいですがXperia 5Ⅴの方が僅かにノイズが少ないようにも見えます。

広角(低照度)で撮影。

Zenfone 10で撮影した方が引き締まって見える。

夜の方がZenfone 10が扱いやすく感じるのが面白いところ。

どちらもフレアやゴーストなどはひどいですがZenfone 10の方がまだ頑張っているかなという印象です。

2倍(低照度)で撮影。

ズーム撮影にしたらZenfone 10は暗めの印象。

外灯の下で撮影して明るい判定だったのか不明ですが2倍は暗めです。何より夜の撮影に関してはZenfone 10の方が安定しているなという印象です。

まとめ

今回はコンパクトモデルとして注目度が高いZenfone 10とXperia 5Ⅴを比較してみました。直販版かつXperia 5Ⅴと同じRAM8GB/ROM256GBの構成でZenfone 10は11万2800円でXperia 5Ⅴは13万9700円なので3万円弱の価格差がありこの価格差をどうとらえるか。

PixelもそうですがZenfone 10も安すぎという感じで利益が出ているのか不思議です。個人的にZenfone 10はユーザーの欲張りな部分を全て集めた機種という感じに見えます。

しかも安いのでキャリアがしっかり扱うようになれば爆発的な人気になるのかもしれません。それぞれに良さがありXperia 5Ⅴは高いけどその分しっかり頑張っている印象です。

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