今回最注目ミドルレンジ。Xperia 10ⅤとPixel 7aを徹底比較

Google Pixel 7aを購入して軽く使ってみましたが、6万円という価格でこの完成度はやはり満足度が非常に高く感じます。詳細は「Pixel 7a 開封レビュー。6万円で購入できる神機種がやってきた」をご参照下さい。

ただ一方で上位モデルであるPixel 7とはスペック上で差別化できておらず、ユーザーにとって非常に分かりにくいので分かりやすいラインナップがGoogleの今後の課題に感じます。

詳細は「Pixel 7aは本当にコスパ最強?価格崩壊中Pixel 7と比較レビュー」をご参照下さい。さて今回の夏モデルにおいて注目度が高いミドルレンジであるXperia 10ⅤとPixel 7aの比較レビューをしてみたいと思います。

デザイン比較。

Pixel 7aは前モデル対比でさらにライトユーザー向けのチューニングがされている印象でXperia 10ⅤはPixel 7aよりよりライトユーザー向けの機種という印象でそもそもYouTubeで下調べするユーザーが対象ではないなのかもしれません。

その上でデザインを確認していくとXperia 10Ⅴの方が横幅が4mmスリムであることに加え30g近く軽いことからも取り回しのしやすさに圧倒的な差があります。

あくまでもスペックを見た印象でXperia 10Ⅴは取り回しの良さにかなりフォーカスしている印象。おそらくですが一般層はバックやポケットに入れても邪魔にならず片手操作もしやすいサイズ感。

そして可能な限り軽い方がいいというニーズが高い可能性がありXperia 10Ⅴはここにフォーカス。ちなみにSonyの発表によると5000mAhのバッテリーを搭載した機種で世界で一番軽い機種です。

また軽さを優先するためかXperia 10Ⅳの時からバックパネルのガラスはやめプラスチックを採用。そしてマット仕上げを採用することで堅牢性を維持しておりIP68にまで対応と耐久性の改善。

一般層からすると片手操作がしやすく軽くて落としても破損しにくく水にも強いとなると分かりやすい。一方でPixel 7aは6.1インチという最もニーズがあるディスプレイサイズを採用していますがディスプレイサイズの割にはちょっと重めという感じです。

やはりXperia 10Ⅴと比較してしまうとちょっと重くてデカいという印象を受けてしまいサイズ感でまず好みが分かれるかなという印象。

デザイン全体でみるとXperia 10Ⅴは変わり映えのしないデザインで全く新鮮味がないですがPixel 7aは毎年変化があるからこそ新鮮味がありGoogleらしいポップさがあるのも特徴です。

ただデザインは完全に好みの問題でどちらが正しいということはなく取り回しの良さは圧倒的にXperia 10Ⅴが良く店頭で店員が分かりやすく特徴を伝えやすい機種に感じます。

ディスプレイ比較。

次にディスプレイですが同じディスプレイサイズとはいえアスペクト比が異なるため見やすさが違う。Xperia 10Ⅴの方が一度に表示できる情報量が多いですがその分コンテンツが小さく表示されます。

偏見かもしれませんがミドルレンジはハイエンドと比較すると使用している年代層が偏っている印象。

その中で文字の見やすさの優先度はかなり高いと思うのでXperia 10Ⅴの評価は難しいところに感じる。また年代層関係なく視力にも影響される可能性があり合わせて確認したいのがリフレッシュレートです。

高リフレッシュレートはよくゲームをやらないから関係ないと言われますがむしろゲーム以外の方が個人的には恩恵を受けると思っておりコンテンツをスクロールした時の残像の感じ方が違います。

これは店頭でちょっと触った程度で実感することは難しく慣れた後に実感するので分かりにくい。Xperia 10Ⅴは1秒間に60回ディスプレイが更新されている一方でPixel 7aは90回更新されています。

そのためPixel 7aの方がより滑らかにコンテンツが表示されスクロールした際の残像がかなり違う。これは90Hz表示に慣れてしまった後に60Hzを使用すると実感しますが目の疲れ方がかなり違う。

よく眼精疲労防止などの観点などからブルーライトカットのフィルムなどが販売されていますが個人的には高リフレッシュレート対応機種を買った方がいいと思っているくらい自分の中で違いがある。

この時点でコンテンツが見やすく目が疲れにくいという観点でみるとPixel 7aの方が優位性。

そして見やすさにもう一つ直結する要素としてディスプレイ輝度ですが海外サイトを参考にするとPixel 7aは手動調節で最大498nitsで自動調節の場合は1090nitsに対してXperia 10Ⅴは手動調節の場合624nitsで自動調節の場合は947nitsと屋内などではXperia 10Ⅴの方が明るい。

一方で屋外ではPixel 7aの方が明るいですがライト層は屋外より屋内の視認性だと思うのでXperia 10Ⅴの方が明るく感じることが多いかも。

何より店頭で確認して欲しいのが文字の見やすさで自分はXperia 10Ⅴで最小表示にしても全く問題ないですがこればかりはユーザー次第です。正直どちらもミドルレンジなのでディスプレイに何か分かりやすい特徴があるわけではありません。

あとはXperia 10ⅤがGorilla Victusを採用していることからも耐久性はより優れています。

基礎スペック比較。

次に基礎スペックですがやはり気になるのはアップデートサポート期間でSonyがXperia 10Ⅴのサポート期間を正式発表していませんが従来通りであれば最大2年でPixel 7aと比較すると短い。

国内市場において機種変更の平均サイクルは4.3年とされていることからもXperia 10Ⅴは満たせず。

もちろんユーザー次第ですがスマホにあまり興味関心を持たないユーザーが自分の機種のアップデートサポート期間をしっかり把握しているのかなんとも言えずアップデートがきたらとりあえずアップデートするという感じの人が多いかも。

とはいえセキュリティ面を考えると長いに越したことがなくライトユーザーをターゲットにしているなら尚更に感じてしまいます。

個人的にハイエンドを積極的に購入するユーザーはアップデートサポート期間をフルに使う人の方が少ないと思うのでそこまで長くする必要がないと思っていますがミドルレンジやエントリーこそしっかりサポートして欲しいように感じます。

容量構成で気になる部分としてRAMでPixel 7aは前モデルから大幅に改善しましたがアプリを切り替えながら使うとリロードが割と発生すること。一方でXperia 10Ⅴの方が分かりやすくリロードが発生したらRAMの容量不足ということになる。

またSDカードスロットを搭載しているかどうかでユーザーの評価も分かれる部分だと思います。ちなみにPixel 7aはSDカードスロットが非搭載なだけであってSDカード非対応ではありません。

あとSDカードは本体のストレージと処理速度が大きく異なることから不具合の原因になる可能性も。そして搭載SoCは大きく異なりハイエンド向けのGoogle Tensor G2と二年連続のSnapdragon695を搭載。

とりあえず負荷をかけるためにベンチマークを3回連続で回してみました。

注意点としていつも使っていたベンチマークが最新のバージョンになったことでRAM8GB以下の機種は正常にベンチマークを計測することが出来ずスコアはあくまでも参考程度にして欲しいところです。

計測終了のタイミングで外部温度を計測してみましたがXperia 10Ⅴは32.6/33.5/34.0度。一方でPixel 7aは34.6/36.1/36.3度と内部温度も外部温度も高く持ってもちょっと熱い。

ミドルレンジユーザーがPixel 7aに負荷をかけた時の発熱をどう評価するかだと思います。

そしてバッテリー関連ですが海外サイトのバッテリーテストの結果を参考にするとダブルスコア以上。先ほどのベンチマークと強く関連してきますがPixel 7aはハイエンド相当のSoCを搭載しているためパフォーマンスは高いですが消費電力が多く発熱はしやすい。

一方でXperia 10Ⅴは発熱するようなパフォーマンスがあるSoCではないため発熱しにくく消費電力も少なく電池持ちが優秀に。さらにSonyは5000mAhと大型バッテリーを搭載した上でソフトの最適化にも注力した可能性が高い。

この結果が圧倒的な電池持ちの差で自分の使い方だとPixel 7aは1日は持ちますがXperia 10Ⅴは2日以上は持つという感じでライト層のニーズにしっかり応えた電池持ちを実現しているような印象。

本当に使う頻度が少ない人は機種自体の電池持ちがどうであれ毎日の充電は必要ないと思います。ただそこそこ使うユーザーにとってXperia 10Ⅴの方が多くのユーザーのニーズに応えていると思う。

ちなみに充電速度を確認するとXperia 10Ⅴは充電開始30分で37%でフル充電には1時間58分。一方でPixel 7aは充電開始30分で36%でフル充電に要する時間は1時間58分です。

バッテリー容量の差を考えるとXperia 10Ⅴの方が充電速度が速いですが所要時間はほぼ一緒。あとPixel 7aはワイヤレス充電に対応しており長く使いたい人ほどワイヤレス充電はあり。

やはり有線での充電だと充電端子部分が故障に繋がる可能性があり7.5Wと速くないですがPixel 7aの方が故障のリスクは下げられると思う。

生体認証はPixel 7aは顔認証に対応が大きくやはりシーンに合わせて使いわけが出来るのはメリットですが画面内指紋センサーは相性が出やすい。またXperia 10Ⅴの従来の指紋認証の方が個体差に個人差は出にくいのかなと思うくらいです。

そしてXperia 10Ⅴの進化点の一つであるスピーカーですが音量を50%に設定して比較してみました。どちらもステレオスピーカーとなっていますがPixel 7aの方が僅かに音量が大きく感じる。

また音質に関してもPixel 7aの方がよりクリアに聞こえる。本体は横向きで持った場合Xperia 10Ⅴの方がデュアルフロントスピーカーなのでユーザーに向かって音が聞こえる。

ただスピーカー自体が正直微妙なのでステレオになったところでという感じです。基礎スペックが大きく異なり発熱と電池持ちは微妙だとけど幅広いニーズに応えることができる。

Pixel 7aとライトユーザーを明確にターゲットにしているXperia 10Ⅴとここはユーザー次第。

カメラ比較。

最後にカメラを確認したいと思いますがXperia 10Ⅴはミドルレンジとして珍しく望遠を搭載。また両機種とも前モデル対比でメインカメラセンサーが刷新されており大型化したのが特徴。

写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。

超広角で撮影。

今回のサンプルはXperia 10Ⅴ/Pixel 7aの順番になっているので予めご了承下さい。

超広角の時点でPixel 7aの方が色もより正確で太陽や空などの白飛びもしっかり抑えられています。

広角で撮影。

単純に接写してみましたがPixel 7aの方がフォーカス精度がより優秀であることを確認できます。

超広角よりは広角の方が色味が近いですがPixel 7aの方が明るく撮影できていることを確認できます。

やはりPixel 7aの方が被写体をより正確に認識した上で処理できている印象を受けます。

小さい被写体を接写してみましたが、Pixel 7aはタップするだけで簡単にフォーカス出来たのに対してXperia 10Ⅴは何をやってもフォーカスされなかったので途中で諦めたという感じです。

撮影のしやすさという面で大きな差を感じます。

望遠で撮影。

まずは1倍で撮影してみました。

Xperia 10Ⅴにとっては光学となる2倍で撮影。

そしてPixel 7aにとって最大となる8倍で撮影してみましたが、画質的にはあまり差がない印象を受けます。あくまでも今回のサンプルをみる限りはXperia 10Ⅴが望遠レンズを搭載しているからといってアドバンテージがあるように感じません。

ナイトモードで撮影。

意外にもPixel 7aの方が白飛びしています。

今回は全て広角で撮影していますが、やはりセンサーサイズが大きい分もあるのかPixel 7aの方がノイズが少なく感じる。

Pixel 7aの方が明るく撮影できる一方でフレアやゴーストに白飛びが発生しやすい印象です。一方でXperia 10Ⅴの方が手ブレが発生しやすく、それぞれに良し悪しがある感じです。

まとめ

今回は同じ夏モデルかつミドルレンジモデルであるXperia 10ⅤとPixel 7aを比較してみました。

執筆時点でXperia 10Ⅴの価格は楽天版しか発表されておらず約7万2000円であることからも他のキャリアは8万円前後になる可能性がありdocomoで見れば同じく7万5000円くらいになるかも。

スペック的にはPixel 7aの方が強いためコスパが良いと言われますが一般層が何を求めるか次第。電池持ちや持ちやすさならXperia 10ⅤですしオールマイティさであればPixel 7aだと思います。

Xperia 10Ⅴは一台も売れるはずがないと猛烈な批判もありますがミドルレンジになると店頭で店員さんがいかに接客しやすいかが重要となってくるので国内ではXperia 10Ⅴの方が売りやすいかも。

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