今やXperiaやAQUOSと超限定的。なぜSDカードスロットは廃止の方向に?

Xperia 1Ⅳが国内で6月3日より発売されて早速購入したので先行レビューで試しきれなかった部分をレビューしてみました。詳細は「Xperia 1Ⅳ開封レビュー。結局発熱はちょっと不安が残る感じに」をご参照下さい。

また先日には香港版のXperia 5Ⅳを購入して開封レビューをしてみましたが発熱以外は想像以上に良く良機種に仕上がっている印象を受けます。詳細は「Xperia 5Ⅳ 開封レビュー。満足度激高。けど発熱はひどめ」をご参照下さい。

さて今回ハイエンドスマホを中心にSDカードスロットが廃止になっている理由を推測してみたいと思います。

SDカードとストレージの伝送速度の差。

国内で見ればSDカードスロットを搭載している機種はXperiaにAQUOSくらいとかなり限定的です。ただ今後の流れ次第では搭載機種がさらに限定的になる可能性があり流れとしても廃止の方向性です。

まず一つ目の理由としてSDカードの処理速度が遅いこと。2022年のハイエンドモデルで見ればUFS3.1に対応したストレージを搭載している機種が多くシーケンシャルリードは2100MB/秒です。

一方でmicroSDの一般的なUHS-Iだとシーケンシャルリードは100MB前後のことが多いです。つまり本体ストレージと一般的なmicroSDではシーケンシャルリードで20倍近くの差があることに。

さらにvivo X90 Pro+やGalaxy S23シリーズなどさらに高速化したUFS4.0に対応しています。つまりmicroSDとの差がどんどん広がっていることになります。

ただ多くのユーザーはmicroSDに写真や動画などを保存するだけなのでスピードが要らないと思います。ただ本体ストレージからmicroSDにデータを移行する際には問題ないかもしれませんが撮影した写真や動画をmicroSDに直接する保存する場合は状況が変わってきます。

今や8K撮影に対応している機種が増えてきている中4K撮影には廉価モデル含めて幅広く対応。そして4K撮影において最低伝送保証速度が30MB/秒以上の
V30の記載があります。

つまりV30に対応していない安価なSDカードを使っている場合撮影した動画を保存する際失敗する可能性があること。また4Kといっても24fpsや30fpsなどフレームレートが高くなれば伝送データ量はさらに増え一部機種が対応している10bitだとさらにデータ容量は増えます。

なのでmicroSD対応としても知識があまりないユーザーの余計な混乱を招く可能性があること。

また少しでも安心するためにはmicroSDを最新となるUHS-IIに対応したものを使えばいいと思うかもしれませんが今度は対応しているスマホがほぼないため最大速度でのデータ伝送が出来ない。

これは繰り返しになりますがあくまでも撮影した写真や動画を直接microSDに保存する場合の話です。なので本体ストレージに一度保存した後にユーザー自身でSDカードにデータを伝送する必要があります。

ただXperiaで撮影したRAW撮影のデータなど全てがmicroSDに伝送できるわけでもないので注意が必要。また本体ストレージと比較するとmicroSDの方が故障しやすいこともありXperiaの海外からの報告を見るとSDカードが原因で本体に不具合が発生したとの事象。

スマホ用のmicroSDを毎年丁寧に買い換えるような人は限定的で多くのユーザーは容量が満杯になるなど何か機会がないと買い替えない。

そうなると古いSDカードをずっと使っている可能性もあり写真や動画の保存などの失敗を避けるという面で見てもユーザーの余計な混乱を避けるための判断として捉えることができると思います。

内部スペースの節約。

またSDカードスロットが廃止の傾向の2つ目の理由としては内部スペースの節約の可能性。

以前はSDカードスロットとSIMトレイは別になっていることが多かったですが内部スペースの問題からSIMトレイとSDカードトレイが一体化したハイブリットSIMトレイが一時期増えていた印象です。

Xperiaで見ても2021年モデルまではハイブリットSIMトレイを採用していましたが2022年モデルでは表裏型のSIMトレイを採用しておりさらに内部スペースを節約していることを確認できます。

Xperia 1Ⅳで見ればeSIMに対応したことでDual SIM+microSDの組み合わせで使うことができますが物理SIMのDual SIM+microSDのハイブリットSIMトレイを採用している機種はほぼないと思います。

それだけメーカーとしては内部スペースを節約したいと思います。2019年まではハイエンドAndroidでも発熱はあまり話題になりませんでしたがSnapdragon888やSnapdragon 8 Gen 1では発熱問題。

今までのハイエンドも発熱しないわけではありませんがめちゃくちゃく発熱対策をしなくてもどうにかなっていた感じでしたがSnapdragon888以降は従来の発熱対策だけでは十分とはいえず。

なので各社発熱対策としてサーマルペーストの採用やより大型のベイパーチャンバーの導入など機種にもよりますが発熱対策としてより内部スペースを逼迫するように。

またバッテリー容量が増えれば電池持ちが改善するというわけではありませんが今は5000mAhのバッテリーを搭載している機種が多くXperiaで見ればバッテリーだけでも内部スペースの半分近くを占有。

また今年のトレンドとして1.0型センサーの搭載ですが1.0型センサーじゃなくても世代を重ねるごとにカメラセンサーの大型化。スペックが強化された分発熱もしやすくなりやすいので発熱対策の強化となると内部スペースがどんどん逼迫されて余裕がありません。

ちなみにほとんどのハイエンドモデルはイヤホンジャックを搭載していませんがイヤホンジャックを廃止しただけでもバッテリーの容量を100mAh増やせるとの話。

メーカーとしては少しでも内部スペースの確保を優先すればSDカードスロットの廃止は妥当な流れ。ちなみにXperiaやAQUOSは最新となるUHS-II対応させようとした場合さらに端子数が増えるため結果部品も増え内部スペースが逼迫されます。

ただUHS-IIに対応したところで本体のストレージとシーケンシャルリードに大きさ差があることに違いはないためだったら他のスペックを強化するためにSDカードスロットを廃止して内部スペースを確保した方がいいと考えるのは妥当な流れだと思います。

自社サービスへの取り込み。

そして3つ目の理由として自社サービスへの取り込みの可能性。まず前提としてハイエンドモデルの多くのストレージは128GBがベースとなっており最上位モデルで見れば256GBであることが多いです。

以前はハイエンドでもストレージが32GBとか64GBの時代がありましたが今やミドルレンジでも128GBからの機種が増えているため本体に保存できるデータ容量自体が増えたということがあります。

ただキャリアの売り方はユーザーの選択肢を狭めていると捉えることができGalaxy S22 Ultraのアメリカ版で見れば128/256/512/1TBと容量によってカラバリが限定されるとはいえユーザーのニーズに合わせてストレージを選択することが出来ますがキャリアモデルは256GBモデルの一択です。

もちろん全ての地域でメーカーが用意した全てのストレージオプションで購入できるわけではありません。ただ日本の場合はその選択肢するないので余計に拡張性という面で不満が出やすいのかもしれません。

また多くのメーカーのトレンドとしてアプリは本体に保存して写真や動画はクラウドサービスに自動的にバックアップという流れ。

自社のクラウドサービスを利用してくれればメーカーとしては収益が増えることに加えユーザーの囲い込みがしやすくまさに一石二鳥という感じで逆にmicroSDだとユーザーの囲い込みが難しいです。

ざっくり見ると国内で販売されているSDカードスロット搭載機種はAppleのようなエコシステムがあまり魅力的ではないメーカーが多い。

あくまでもハイエンドの括りですがXperiaにしろAQUOSにしろスマートウォッチなど周辺アクセサリーが充実しておらずクラウドサービス自体も充実していないことからよく言えばユーザーのニーズに合わせてSDカードスロットを搭載していると言えますが悪く言えばmicroSDの代わりになる自社サービスがない。

なので今後クラウドサービスがより充実してくればSDカードスロットを廃止する可能性も考えられます。現状だと極端な言い方をすればXperiaやAQUOSは逃げ道がない状況に。

今後もスマホはカメラを中心に進化をする可能性があり搭載するカメラのセンサーサイズが大型化したり高画素化すれば写真や動画のデータ容量が増える可能性があり合わせてストレージは強化される可能性がありますがmicroSDとはどんどん剥離していくだけ。

そうなってくるとどんどんmicroSDの肩身は狭くなるかも一つ言えるのはハイエンドAndroidは対応機種が減ることはあっても増えることはないということです。

なのでmicroSDから切り替えてもいいと思うユーザーは対応機種が出ることに期待するのではなくどの段階でどのサービスを使ってスマホのデータをバックアップするかを考えた方が良さそうです。

まとめ

今回はスマホのSDカードスロットが廃止されてきている理由について簡単に推測してみました。自分は様々な機種を触ることからもSDカードスロット搭載/非搭載でデータ移行が出来ないなどが出ると面倒なので全てクラウドサービスにバックアップをとっています。

自分はGoogle Oneを契約しているので月額1300円くらいはとられていたと思いますがGoogle PhotoもGoogle driveも気兼ねなくバックアップしているので非常に楽でGoogleアカウントでログインすればあとはどうにかなります。

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