Xperiaの辿るべきだった道。Xiaomiやvivoの方がよりコンセプトを実現

先日には香港版のXperia 1Ⅴを購入して開封レビューをしてみましたが、Xperiaが好きなユーザーにとっては堪らない一台になっていると思います。詳細は「Xperia 1Ⅴ 開封レビュー。ずっとこんなXperiaを待ってました」をご参照下さい。

一方で先日にはXperia 5Ⅴの香港版を購入してみましたがネットで言われている人ほど悪くない印象で、Xperiaらしさがコンパクトな筐体に上手くハマった良機種という感じです。

詳細は「Xperia 5Ⅴ 開封レビュー。シンプルで分かりやすい進化を遂げた良機種」をご参照下さい。さて今回Xperiaが目指すべきだった道について主観的にまとめたいと思います。

各種センサーをより強化するべきだった。

2019年に登場したXperia 1からSonyは好きな人にとことん好きになってもらえるようにと従来の一般向けのコンセプトから何方かと言えばオタク向けのコンセプトに方針転換。

Xperia Xシリーズのふわっとした感じよりは現行シリーズの方がハッキリしていて分かりやすい。一方で過去のSonyの発言からも現時点でかなり中途半端に感じてしまう部分もあります。

その上で気になる一つ目の部分としてカメラの多眼化のコンセプトで分かりにくかったと思います。

Sonyは従来複数のカメラを搭載することに消極的でしたがXperia 1でトリプルレンズカメラを搭載しており幹部の発言によると画角の異なる3つのシングルレンズカメラを搭載したと一眼ユーザーがシーンに合わせてレンズを交換するかのように撮影できると考えた時に腑に落ちた。

例えばPixelで見ると超広角はオートフォーカスに対応していることからマクロ撮影に対応。

さらに被写体の顔のブレを補正するために広角と超広角で同時に撮影して補正する機能である顔フォーカスに上位モデルであれば望遠に切り替わる5倍以下の撮影をする際に広角と超広角で同時撮影した上で画質を補正するなどセンサー同士が相互補完している感じです。

一方でXperiaの場合はあくまでも複数のシングルレンズカメラを搭載しているという考え方でPixelのような相互補完という考えはあまりなく超広角や望遠を利用したマクロ撮影に非対応。

またSonyが技術的な問題から対応が遅れたとしていますがビデオ撮影時に画角を切り替えらるシームレスズームに非対応など他社と比較するとセンサーそれぞれが独立した状態でした。

個人的にはこのコンセプトは面白いと思っておりありだと思いますがコンセプトを貫くならセンサーそれぞれが強くないとユーザーへのインパクトを与えられなかったのに弱かった。

もちろんセンサーが全てではありませんがハードにソフトが弱いとコンセプト倒れに。Pixelのように相互補完の関係であればメインカメラセンサーを中心に考えればいいですがXperiaの場合は他社と採用しているコンセプトが違うのにハードの構成は他社と一緒。

その結果中途半端になってしまった感じでXiaomiやvivoみたくした方が良かったかも。特にvivo X90 Pro+は分かりやすく広角+超広角+望遠はオーソドックスな構成ですが別途ポートレート専用センサーを搭載したことで4つの画角で楽しむことが出来るのがいい。

なのでユーザーからすれば14mm/23mm/50mm/90mmと4つの画角をワンタップで切り替え可能。さらに90mm以上で撮影した場合は最大100倍のズーム撮影を使えばいいだけという感じです。

もちろんvivoの機種であってもメインカメラセンサーが圧倒的に強いですが超広角や望遠など他の画角も妥協を感じないからこそXperiaのやりたかったコンセプトに近い感じです。

また最新機種で見るとXiaomi 14 Ultraも分かりやすくメイン以外全て同じセンサーを採用。画角の異なるシングルレンズカメラを搭載するというコンセプトだったからこそvivoなどの様にクアッドレンズ構成などにして汎用性をより強化した方がわかりやすかったように感じます。

アクセサリーで拡張性を持たせるべきだった。

そして2つ目としてスマホ本体で全て完結させる必要がなくアクセサリーを出せば良かった。現行シリーズに入ってからSonyは一眼ユーザーがXperiaをセカンドカメラとして使えるようにUIをある程度共通化したPhoto ProやVideo Proなど専用アプリの開発に尽力です。

また複数のシングルレンズカメラを搭載しているというコンセプトを強化するためにも最初に全画角でのデュアルPDオートフォーカスに対応でリアルタイムトラッキング機能に対応。

さらにXperia 1Ⅳからは全画角でのバースト撮影や4K/120fps撮影に共通対応していますユーザーからすれば世代を重ねるごとにどんどん分かりやすくなったという感じでしたが。

搭載しているハードの進化が追いついていない印象でしっかりと撮りたないならマニュアル撮影。ただマニュアル撮影をより快適にするためのアクセサリーは用意されておらずただのケースくらい。

例えばマニュアル撮影する際に高照度の環境であればフィルターが必要になるシーンがありフィルターを付けられる純正ケースを用意しても良かったのではなかったと思います。

またカメラキーを本体に搭載しているためカメラの起動や半押しによるフォーカス合わせなどないよりはマシですが物理ボタンが1個だけだからこそ汎用性はそれ以上拡張しにくいです。

Xperia PRO-Iのようにショートカットボタンを搭載してカメラ使用時の何か調節機能を割り振ることが出来れば違ったかもしれませんがXperia PRO-Iでもそれは出来ないです。

あくまでもユーザーに余計な出費をさせないという意味では本体である程度完結できた方がいい。ただ拘りがある人はオプションを用意すれば投資する可能性がありXiaomi 13 UltraやXiaomi 14 Ultraで用意されている専用のカメラキットがあっても面白かったと思います。

カメラキットにはフィルターやレンズが装着することが可能な純正ケースが同梱されています。さらにシャッターボタンや各種調整ができるカメラグリップを合わせて使うことが出来る。

またXiaomi 14 Ultra用のカメラグリップ自体がバッテリーを搭載しているため負荷の高い。撮影を長時間していても電池切れがしにくくなるなど細かいニーズに応えやすいと思います。

一眼ユーザーからのフィードバックをもとにXperiaのカメラは進化しておきており細かいニーズを応えるために別途カメラ用のアクセサリーがあっても面白かったと思います。

またカメラアクセサリー用のケースを用意しておけばレンズやフィルターの装着に加えXperia PRO-Iの時のようにシューティンググリップや外部モニター装着の起点に出来た。

用途に合わせてSony製のアクセサリーを買って欲しいという狙いもあると思いますがそれらアクセサリーの起点になるケースがあるだけでも印象が違った可能性がありケースにカメラグリップを装着すればマニュアル撮影がもっとしやすいとなればユーザーも興味を持つ。

コストがかかるため難しいと思いますがアクセサリーをもっと用意しても良かったところです。

コラボの恩恵をあまり感じない。

そして最後に3つ目としてカールツァイスをもっとカメラソフトにも活かして良かったと思う。SonyはXperia 1IIでカールツァイスとコラボして開発されたレンズを採用しています。

特に注目すべき部分としてはティースターコーティングでメリットとしては忠実な色再現と抜けのいい描写を実現しつつ逆行などのシーンでフレアや白飛びを抑えやすい感じです。

現行シリーズのカメラは現実をより忠実に描写するというコンセプトで相性も良いです。ただ一方で中華メーカーで見るとOppoはハッセルブラッドとコラボして開発をしておりXiaomiに関してはライカとコラボしておりハードからソフトでしっかり色を出している感じです。

またXperiaと同じくvivoもカールツァイスとコラボしておりXperiaと大きく違う部分はツァイスナチュラルモードなどカメラブランドの良さを引き出す撮影モードがあることです。

Sony自身がカメラを開発しているメーカーということもありXperiaにおけるカールツァイスはあくまでも脇役に徹してほしいということなのか定かではありませんがインパクトが弱いです。

さらにコンセプトを優先しすぎたのか技術の問題だったのか不明ですがカメラソフト自体がちょっとイマイチで現実をより忠実に描写出来ていないことが多々あるという感じでした。

過度の加工感がある機種は個人的に好きではなくXperiaはスッキリしていて好印象です。ただ他社と比較すると高照度の環境ではフレアが発生しやすく白飛びもしやすいという感じ。

さらに解像感がそこまで高くないことも多く低照度になると他社との大きな差があるなど何とも。

Sonyの一眼カメラでさえしっかり補正する部分は補正しているのでXperiaでもしっかりと補正するべき部分は補正して欲しかったですが歴代Xperiaの多くはそうならなかったです。

仮にカメラソフトの開発が追いついていなかったのであればカールツァイスに頼っても良かった。そしてXperia 1ⅤではS-Cinetoneなどカメラソフトが一気に底上げされた印象ですが結局自社の一眼の技術が取り入れてきた感じでカールツァイスとのコラボが活きていない感じ。

Xperia 1ⅤではSonyのコンセプトに合わせてようやく形が出来上がった印象を受けます。なのでこれから本格的に中身を強化していく可能性がありカールツァイスの出番があるかも。

ただ今までの流れをみるとカールツァイスとのコラボを上手く活かせていない印象で挙げ句の果てにカメラソフトが弱いと言われる感じだったのでコラボもしっかり活かして欲しい。

まとめ。

今回はXperiaが辿るべきだった道について主観的にまとめてみましたが今後が楽しみです。物撮りではぱっとしないかもですが動体の撮影に関してはピカイチで個人的に重宝している。

Xperia 1Ⅵでもカメラは一般向けではなくニッチ向けに進化させてほしいと思っちゃいます。

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