王者への挑戦。Pixel 8 ProとGalaxy S23 Ultra徹底比較

先日にはPixel 8シリーズが正式発表されたばかりですが早くも来年の5月に正式発表される可能性がPixel 8aのデザインもリークしています。詳細は「Pixel 8aのほぼ確定的デザイン判明。想定していたほど小型化せず」をご参照下さい。

一方で今年のフラッグシップモデルとなるGoogle Pixel 8とGoogle Pixel 8 Proを購入したので開封レビューをしてみました。詳細は「Pixel 8 & 8 Pro 開封レビュー。この機種の魅力はまだまだ語りきれない」をご参照下さい。

さて今回最上位モデル同士であるGalaxy S23 UltraとPixel 8 Proの比較レビューをしてみたいと思います。

デザイン比較。

最初にデザインから確認していくとスペックで見ればPixel 8 Proの方が僅かに小さいです。

両機種ともサイドフレームは丸みを帯びていることもあり手にフィットしやすいです。だからこそ余計にGalaxy S23 Ultraの横幅78mmはデカくて持ちにくいという印象です。

S-Penを内蔵していることからも横幅が増すのは仕方ないのかもしれませんが自分のようにS-Penを使わない人間からすれば嵩張っているだけでデメリットにしかならない感じ。

ただ持ちにくい分20g近く重いとはいえGalaxy S23 Ultraの方が軽く感じます。でも自分の手の大きさだとPixel 8 Proの横幅でも片手操作はかなりギリギリという感じでこのことを考えるとPixel 8 Proの方がずっしり感じても取り回しがしやすい印象です。

Galaxy S23 Ultraの横幅になってくると完全にユーザーを選ぶなという印象です。

手持ちでみると両機種ともブラックですが個人的にGalaxy S23 Ultraの黒の方が濃くて好き。Pixel 8 Proでもマット仕上げが採用されたことで全体的に引き締まった印象を受けますがそれでも個人的にはSamsungが選ぶ黒の方がより黒という感じかっこよく感じます。

ちなみに指紋の目立ちやすさはそこまで変わらず意識すればそれなりに気になるという感じです。ただ強いて言うなら同じ黒でも色が僅かに淡いPixel 8 Proの方が目立つかもしれません。

一方でサイドフレームは両機種とも共通してアルミ+光沢仕上げを採用していますがGalaxy S23 Ultraの方が色が濃いことからも本当に僅かですが指紋が目立つという感じです。

バックパネルはGorilla Glass Victus 2の採用は共通でPixel 8 Proは全体的に見れば丸みを帯びたデザインでGalaxy S23 Ultraは角ばったデザインと好みが分かれるところ。

またカメラデザインも好みが分かれるところでPixel 8 Proは並列型を採用しているのでカメラバンプもそれなりに目立ちますがGalaxy S23 Ultraのようにレンズ一つ一つが独立したデザインではないのでお手入れも楽で机に置いた時にガタガタしないのもポイントです。

フロント部分を確認するとパンチホールデザインは共通ですがGalaxy S23 UltraはEdgeディスプレイを採用しておりPixel 8 Proはフラットディスプレイなので好みが出る。

Edgeディスプレイの方が片手操作をする際に誤反応が起きやすくスクリーンプロテクターも画面内指紋センサーを搭載していることを考えるとほぼガラスフィルムは選択肢からはずれる。

さらに同じGorilla Glass Victus 2とはいえ湾曲している方が耐久性が低いです。

正直最上位モデルにサイズ感を求めるべきではないのかもしれませんが個人的にはPixel 8 Proの方が取り回しがしやすく全体的なデザインも好きという感じです。

ディスプレイ比較。

次にディスプレイを確認していくと表示できるコンテンツの大きさはGalaxy S23 Ultraの方が横幅もありディスプレイサイズも大きいので単純にデカくて見やすいという感じです。

また両機種ともWQHD+に対応していることに違いはありませんが画素密度で見ればGalaxy S23 Ultraの方が僅かに高いという感じで合わせて確認したいのがディスプレイ輝度。

ディスプレイ輝度に違い。

スペックで見るとPixel 8 ProはHDR表示で1600nitsでピーク輝度で最大2400nitsに対応。一方でGalaxy S23 Ultraのピーク輝度は1750nitsなのでPixel 8 Proの方が上です。

ただピーク輝度は実使用においてほとんど関係ないので海外サイトのディスプレイテストの結果を参考にするとGalaxy S23 Ultraは手動調節で517nitsで明るさを上げるオプションをオンにすることで831nitsまで明るくなり自動調節の場合は最大で1274nitsを記録。

Samsungは高輝度モードで1200nitsまで出るとしていることからもほぼスペック通りです。一方で残念なことに記事執筆時点でPixel 8 Proのディスプレイテストの結果は公開されず。

両機種ともディスプレイ輝度を自動調節で比較してみると発色の問題のあかるかもしれませんが屋内ではGalaxy S23 Ultraの方が明るく感じオプションをオンにすればさらに差が開く。

また高照度の環境でカメラのサンプルを撮影している時はほとんど一緒という感じです。実際のところPixel 8 Proがどの程度の明るさが出ているのか不明ですが実際に比較する限り平均値はGalaxy S23 Ultaの方が高いのか明るいなと感じることが多いと思います。

一方でPixel 8 Proは以前のように暗いと感じるシーンがあまりなく常に見やすい明るさ。ただスペックほどのインパクトがある明るさという感じではなく平均値は低いのかもしれません。

コンテンツの見え方に違い。

そしてYouTubeを再生してみるとチューニングの問題なのかディスプレイ自体の問題なのかPixel 8 Proの方が色味含めて全体的に暗くて薄いという印象を持ちます。Pixel 8 Pro単体で見ると十分なディスプレイに感じますが比較すると物足りなく感じます。

リフレッシュレートに違い。

そしてリフレッシュレートに関してPixel 8 Proは1Hzからの可変式120Hz表示に対応。一方でGalaxy S23 Ultraは10Hzからの可変式120Hz表示に対応しているとの話。

ただ海外サイトによるとSamsungの発表通りに10Hzで動作しているシーンを確認できず最低でも24Hzまで下がらなかったとしているのでPixel 8 Proの方が最適化されているかも。

とはいえ実際に比較しても十分に滑らかに表示され自分の好きなサクサク感はどちらにもないです。ただ強いていうならGalaxy S23 Ultraの方がより滑らかにスクロールできるという印象です。

少なくともGalaxy S23 Ultraの方が大きく見やすく明るいディスプレイを搭載しているかも。

基礎スペックを比較。

そして基礎スペックを確認していくとアップデートサポート期間に地味に差があります。とはいえ最上位モデルを購入するユーザーがサポート期間をフルに使うことは考えにくい。

なのでコストを抑えるために型落ちや中古のタイミングで買うユーザーに恩恵があるかも。

一方で注意点としてGalaxy S23 Ultraは基本キャリア経由のアップデート配信になる。そのためグローバルモデルとタイムラグがあるのは当然でアップデート自体がない場合も。

少なくとも海外版のように積極的なアップデートの配信という感じではありません。一方でPixel 8 ProはGoogleが直接アップデートが配信されるのでタイムラグが基本ないです。

そのためアップデートの手厚さを見ればPixelの方が国内ではアドバンテージがあります。

容量構成を比較。

そして容量構成を確認すると両機種とも512GBモデルが黒系のカラバリに限定されるのは共通。ただGalaxy S23 Ultraはauとdocomoのオンラインショップ限定と販路が限定されます。

一方でGalaxy S23 Ultraには1TBモデルもありブラックはauオンラインショップ限定で直販版ではクリーム限定という感じで選択肢があるのは嬉しい反面販路は複雑です。

発熱とパフォーマンスの違い。

次に発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回してみました。内部温度で見るとGalaxy S23 Ultraの方が最初は抑制されていますが最高温度をは43.7度でPixel 8 Proは43.9度となっておりPixel 8 Proの方が高め。

一応計測ごとに外部温度を計測してみましたがPixel 8 Proは35.3/37.4/38.1度に対してGalaxy S23 Ultraは39.5/44.2/42.6度とPixel 8 Proよりは全体的に高めです。Galaxy S23 Ultraは持ちにくいため片手で持つ分にはそこまで熱いと思わないかも。

一応合わせて3D Mark Wild Life Stress TestをしてみましたがPixel 8 Proは52.3%でGalaxy S23 Ultraは56.8%なのでパフォーマンスが高くて持続性も優秀なことになります。

少なくともゲームをしっかりやりたい人にとってはGalaxy S23 Ultraを選べば間違いない。搭載SoCのメインコアで見れば同じくCortex-X3を採用しているのでチューニングによって方向性が明らかに違うことを確認できPixel 8 Proはゲーム用にチューニングしていない。

その分発熱を出来るだけ抑えて電池持ちの改善に振っているようにも感じます。

バッテリー関連を比較。

バッテリー関連を確認すると容量はほとんど一緒ですが電池持ちには大きな差がある印象。執筆時点でPixel 8 Proのバッテリーテストの結果が公開されていませんが
ここ数日使った感じではGalaxy S23 Ultraのような絶対的な安定感はないと思います。

Galaxy S23 Ultraはフラッグシップの割には電池持ちがめちゃくちゃ良いという感じです。充電速度に関してGalaxy S23 Ultraは要件を満たした45Wの電源アダプターで充電した場合充電開始30分で68%でフル充電に要した時間は59分とスペックの割にはかなり速い方です。

一方でPixel 8 Proは充電開始30分で55%でフル充電に要した時間は79分なので大きな差。ただワイヤレス充電になってくる事情が変わりPixel 8 ProはPixel Stand 2を使うことで最大23Wで充電できのに対してGalaxy S23 Ultraは10Wなので2倍以上の差があります。

その他の比較。

そして生体認証に関して2Dの顔認証や画面内指紋センサーを搭載していることは同じです。ただPixel 8 Proは光学式に対してGalaxy S23 Ultraは超音波式なのでかなり快適です。

認証速度はもちろんですが個体差も個人差も出にくい印象なので多くの人が使いやすいと思う。

そしてスピーカーの音量を50%に設定した上でスピーカーテストをしてみました。音量はGalaxy S23 Ultraの方が大きいですが音質に関してはPixel 8 Proの方がステレオ感が強く聞こえ以前のような高音がキンキンしている感じがないのでまとまっている。

一方でGalaxy S23 Ultraは高音が耳障りに聞こえることがあるので好みが分かれるかも。何より基礎スペックでみると一番の違いとしてはゲームをやるかどうかになると思います。

その上でGalaxy S23 Ultraの方がパフォーマンスが高く抜群の安定性を誇ります。

カメラを比較。

最後にカメラを確認していきたいと思いますがGalaxy S23 Ultraは200MPの超高画素に対応。

ちなみに今回の撮影は全て高解像度モードで撮影しておらずオーソドックスにしています。また望遠レンズを2つ搭載していることからもズーム性能にも大きな差があります。

その上で写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。

超広角で撮影。

今回のサンプルはGalaxy S23 Ultra/Pixel 8 Proの順番になっているので予めご了承ください。

やはり大きな違いとしては色味だと思います。

広角で撮影。

次にフレアが入りやすい角度で撮影してみましたがPixel 8 Proの方が入りやすい印象。

次に接写をしてみましたがGalaxy S23 Ultraはシリーズで唯一レーザーオートフォーカスを搭載していることもあり被写体にしっかり寄って撮影することが可能です。

ただ気になる部分としてやはりGalaxy S23 Ultraの過剰補正は好みが分かれる部分だと思います。分かりやすい写真が撮れる一方で紅葉など繊細な写真を撮るのには正直向かないと思います。

ポートレートで撮影。

ポートレートになるとPixel 8 Proの方が寄って撮影することが可能。

ポートレートになるとGalaxy S23 Ultraの過剰補正がおとなしめになるのはありがたいところです。

次に同じく2倍で撮影してみました。

やはり赤の表現は好みが出るところだと思います。

望遠で撮影。

最初に2倍で撮影してみましたが両機種ともフレアが入っていることを確認できます。

そしてPixel 8 Proでは光学ズームとなる5倍で撮影してみましたがGalaxy S23 Ultraはデジタルズームということもありノイズが多く色味もおかしい感じです。

次にGalaxy S23 Ultraにとって光学ズームとなる10倍で撮影してみましたが、明らかにノイズが少ないことを確認できます。

次に15倍で撮影。

そして20倍で撮影してみましたが、20倍になるとPixel 8 Proの方がノイズが多いという印象です。

最後にPixel 8 Proでは最大となる30倍で撮影してみましたが雲泥の差です。

超広角(低照度)で撮影。

白飛びの抑制は流石Galaxyという感じです。

被写体が明るいとGalaxy S23 Ultraがライトアップされている色にかなり引っ張られていることを確認できます。

広角(低照度)で撮影。

広角になっても変わらずGalaxy S23 Ultraは全体的にモヤっとした感じの仕上がりに。

ただ光源との距離があると白飛びの処理にそこまで差がある感じではありません。

強い光源があると白飛びとゴーストはGalaxy S23 Ultraの方が抑制されていますがフレアは派手という感じ。

望遠(低照度)で撮影。

次に2倍で撮影してみました。

そして5倍で撮影してみましたがPixel 8 Proの方が明らかにクリアに撮れており被写体以外のボケ感もしっかりでており、低倍率に限りますが夜はPixel 8 Proの方がズーム性能が優れている印象を受けます。

消しゴムマジックの精度。

そして気になる部分としてAI機能ですがGalaxyで見るとオブジェクト消去があります。

まず上記の画像はGalaxy S23 Ultraのオブジェクト消去で削除してみました。ちなみにPixelで見ると消しゴムマジックがあり元の写真を加工してみると精度にあまり差がありません。

ただPixel 8 Proの編集マジックを通して対象物を消去するめちゃくちゃ精度に差があります。本来であれば人がいて見えない部分の処理の精度がめちゃくちゃ改善されているという印象です。

この機能をどこまで使うかにもよりますがAIに力を入れている分精度に差があることを実感。同じ機能に対応しているからといって精度が同じとは限らないので注意が必要です。

またPixel 8 Proは音声消しゴムマジックに対応するなど編集する楽しみが全然違います。

まとめ

今回は最上位モデルであるGalaxy S23 UltraとPixel 8 Proを比較してみました。ちなみにドコモでみるとGalaxy S23 Ultraの256GBは一括価格で19万7670円に対して
Pixel 8 Proの256GBは19万8000円とPixel 8 Proの方が僅かに高いという感じです。

ただ直販版の選択肢があるのでもう少し安く購入できますがほぼ価格差がない状態です。カスタマイズ性に安定性と安心感や使いやすさを求めるのであればGalaxy S23 Ultraです。

一方で安定性は欠けるけど写真に拘りがあり撮った写真で遊びたい人にはPixel 8 Proです。

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