Zenfone 10 開封レビュー。小さい巨人という言葉はこの機種のためにある

今や貴重な選択肢になりつつあるハイエンドコンパクトモデルですがASUSは他社との差別化戦略としてコンパクトモデルを積極的に展開しており、高い技術力もありZenfone 9は非常に上手くまとまった一台に感じます。

詳細は「コンパクト難民期待の星。Zenfone 9の開封レビューを早速してみた」をご参照下さい。また先日にASUSは後継機種となるZenfone 10が正式発表しており、電池持ちは相変わらずかなり安定していることが判明しています。

詳細は「Zenfone 10のバッテリーテスト結果判明。まさに安定の一言」をご参照下さい。さて今回香港版のZenfone 10を購入したので開封レビューをしてみたいと思います。

開封。

Zenfone 9の時より化粧箱はより淡い色合いになった印象を受けますが分厚さは健在しています。

付属品を確認すると30Wの電源アダプター。

2つ目としてUSB-Cケーブル。

3つ目として説明書にSIMピンという感じで今や電源アダプターをカットしているメーカーが多い中しっかりと同梱してくれているのは嬉しい。

また専用ケースも同梱されており質感も悪くないと付属品だけで最低限揃う感じです。

あと忘れていただけか有線イヤホンとイヤーキャップも同梱されていたのでびっくりしました。ただ保護フィルムに関しては最初から装着されていないので気になる人は購入した方がいい。

昨年Zenfone 9の時はAmazonでほとんど選択肢がなくよく分からない物を買ったら品質低め。

ただ今回は日本で発売前とはいえミヤビックスから発売されていたので購入してみました。基本自分はSpigenのガラスフィルムかSpigenのTPUフィルムという感じなのでそれ以外のメーカーかつ水貼りタイプではないPETフィルムを購入したのはかなり久しぶりです。

水貼りタイプだと貼り直しができるのでプレッシャーがそこまでではありませんでしたがやはりPETフィルムだと貼り直しが厳しいのでプレッシャーも強かったですがなんとか貼れた感じ。

ASUS自体が発売している機種も少なく日本での売れ行きも限定的なこともあるのかアクセサリーが乏しいところが残念で今後サードパーティ製が充実することに期待したいです。

デザインを確認。

次にデザインを確認していくと本体サイズは146.5×68.1×9.4mmとコンパクトなサイズ感。前モデルと比較して縦幅に横幅は変更されていませんが本体の厚みが0.3mm増しています。

おそらくですがワイヤレス充電に対応した影響もあると思いますがほぼ誤差の範囲という感じ。やはり横幅が68mm程度しかない機種はかなり限定的で直近の機種で見るとXperia 10ⅤにXperia 5Ⅳと持ちやすさを最大限優先するならXperiaかZenfoneという感じになります。

6.1インチクラスのGalaxy S23にPixel 7aにiPhone 14などは横幅が70mmを超えてきます。この横幅70mm以下かどうかで持ちやすさに大きな影響を与えZenfone 10は横幅がスリムだからこそ本体の厚みが10mm近くあってもそこまで気にならないという感じです。

本体上部を確認するとマイクにイヤホンジャックとニーズが減っているとはいえ継続は嬉しい。

左側面はアンテナスリットくらいで本体右側面は音量ボタンに指紋認証が統合された電源ボタン。

本体下部はSIMトレイにスピーカーグリルにUSB-Cとボタンの配置などは特段変更はないです。バックパネルを確認するとプラスチックを採用していますがマット仕上げなので汚れは目立ちにくい。

ちょっとザラザラした感じで質感は面白いですが糸屑みたいなのはひっかかりやすいかもです。カラバリ自体は名称は一部違えど一緒の5色展開で自分は前モデルの時にはブラックを購入。

指紋はそこまで気にならないけど汚れが目立ちやすいという感じだったので今回は赤を購入。おそらく日本でも発売される時は同じ感じになると思いますが全色全容量はないと思います。

そのため容量構成によって選べるカラバリが限定され香港版だと赤はRAM8GB/ROM256GBでした。

また前モデルの時は機種名にカメラスペックなどが背面にロゴとして記載されていましたがZenfone 10では機種名のみとかなりスッキリした印象ですがユーザーで好みが出るところです。

何よりプラスチック特有の安っぽさもなく耐久性にコストカットと一石二鳥で重さも172gと軽め。ちなみにサイドフレームはブラックかつマット仕上げですがホワイトのみサイドはシルバーです。

フロント部分を確認すると左端にパンチホールでベゼルは前モデルと同じくちょっと太め。ただこれは筐体サイズに伴う内部スペースの問題からこれ以上のスリム化は厳しいのかもしれません。

なので廉価モデル特有のコストカットの観点からベゼルが細く出来ないわけではないと思います。相変わらず質感は高めでカメラ部分のデザインは好みが出そうですが今のデザインの方が好きです。

ディスプレイを確認。

そしてディスプレイを確認していくと5.9インチで表示解像度は2400×1080のFHD+です。アスペクト比が20:9と縦長に加えディスプレイサイズが小さいため一度に表示できる情報量は比較的多めとはいえコンテンツ自体はかなり小さく表示されるのでユーザーを選ぶと思う。

また進化ポイントの一つである最大144Hz表示に対応しましたがゲームのみに制限されています。ゲームをやらない自分からすれば120Hz表示に制限され自分はその恩恵を受けない感じです。

ゲームをやる人にとっては僅かにとはいえリフレッシュレートが改善されたのは嬉しいかも。ただタイトルが対応しているかは別の話だと思うので対応していればいいという話でもないです。

ちなみにリフレッシュレートは前モデルと同様に4つのオプションから選択することが可能です。デフォルトでオンになっている自動はほとんどの場合で90Hz表示で固定されているみたいです。

逆に120Hzでゲームをしたい場合はアプリごとに設定が必要という感じで自分の使い方だと自動ではなく120Hzで固定した方が日常使う上で恩恵を受けやすいのかなという印象です。

他社の最上位が採用している可変式ではないのでこの辺はわかりにくく注意が必要です。

そして屋内で使う分には気にならないですがディスプレイ輝度はちょっと残念感じかも。海外サイトのディスプレイテストの結果を参考にすると手動調節で最大442nitsで自動で800nits程度。

ミドルレンジでも800nitsを超えている機種があると考えるとハイエンドにしては暗いです。ディスプレイ部分はコスト増加に繋がりやすいと思いますがスペックと上手くバランスをとってる。

ただ蓋を開けて見るとコストカットしたことによって発生した粗が目立つという感じかも。個人的には普段使っている感じではディスプレイ輝度も気にならずベゼルの太さも気にならない。

言ってしまえば他社のフラッグシップの無印よりちょい劣るかなという感じですが無理にスペックを強調しているからこそ余計に粗が目立つという感じなのかもしれません。

基礎スペックを確認。

基礎スペックを確認するとAndroid13を標準搭載。一方でメジャーアップデートはAndroid14を含まず最大2回なので最大でAndroid15まででセキュリティアップデートは最大で4年です。

国内でZenfone 10が欲しい層は一般層よりオタク層だと思うので長くなくてもいいのかも。むしろ2年以上使ったら市場価値がかなり下がると思うので2年以内くらいでの買い替えがいいかも。

国内版はどうなるのか不明ですが気になる部分としては対応バンドで現状n79やB21は非対応です。割と直販版しか販売していないメーカーの機種は非対応のことが多いですが今やPixelも対応。

その中で前モデルと同様に非対応だとちょっと大きめのデメリットになる可能性はあります。また勝手な印象ではピュアAndroidに近いかなと前モデルの時に思っていましたが実際に違くしっかり作り込まれており片手操作しやすいように最適化しているという感じです。

あとは購入時点で最初のアップデートが来ておりアップデートをしたら技適の表示が可能に。手持ちのahamoのSIMで試してみましたが通信は出来るけど通話は出来ない感じです。

自分の設定ミスの可能性がありますが技適があるからこそ使えたら最高だったのにという感じ。容量構成はRAM8GB/ROM128GBにRAM8GB/ROM256GBにRAM16GB/ROM512GBの3モデル構成。

これは発売地域によって取り扱いが異なる可能性が高くカラバリも変わってくると思います。個人的にはコンパクトモデルにスペックもりもりは求めていないので256GBモデルを購入しました。

SDカードスロットは非対応なのでユーザーのニーズに合わせて選択するのがいいと思います。そして搭載SoCは最新となるSnapdragon 8 Gen 2でベンチマークを3回連続で回してみました。

1回目のみダイナミックモードでベンチマークをかけてみましたがスコアが107万点程度。2回目以降は150万点前後というスコアで正直文句なしで何よりパフォーマンスが安定している。

自分はゲームをやらないため正確な評価は出来ませんがゲームも長時間安定して出来そう。ただ一方で気になったのが発熱で計測終了のタイミングで外部温度を計測してみましたが36.7/44.5/46.1度とかなり高めで2回目終了時点でかなり不快に感じる熱さという感じです。

カメラ部分がかなり熱くなることに加えサイドフレームが熱くなるので持っている時に不快に。パフォーマンスの持続性は優秀でもここまで熱く感じると長時間持っているのが厳しいかも。

筐体サイズからも排熱が苦手なのは明白ですが逆にパフォーマンスがここまで安定するのがすごい。

そしてバッテリー容量は4300mAhで海外サイトのバッテリーテストの結果を確認すると109です。ちなみに前モデルは108でSoCの電力効率改善でさらに電池持ちが良くなると期待していたので残念。

同サイトによると動作時におけるストレステストでは優秀だったものの待機状態での効率が悪化。その結果全体のスコアが伸びきれなかったとしておりチューニング不足なのかもしれません。

まだ使い始めて数日のため何ともですがZenfone 9の時は驚異的だったの同程度な十分で電池持ちに関しては今後しっかりと試していきたいと思います。これで電池持ちがよければハイエンドコンパクトモデルでありながら電池持ちが優秀とある意味矛盾した存在になるかも。

ちなみに有線だと充電開始30分で60%まで充電できフル充電に要した時間は1時間21分です。一方でZenfone 9は充電開始30分で57%でフル充電に要した時間は1時間15分と何とも言えず。

初速は改善していますがトータルの充電時間は悪化していると何と捉えていいのか分からない。ただよく言えばある程度の電池残量になってからより時間をかけて充電しているので負荷は少ない。

ZenfoneもXperiaのようにバッテリーケアに拘っており充電最大容量などを指定することが出来ます。バッテリーケアとユーザビリティのバランスを上手くみつつ多少仕様を変更したのかも。

生体認証は指紋認証と顔認証でこれは前モデルから特段変更もなく十分に快適に感じます。個人的にはXperiaと同じく側面の指紋認証ですがXperiaよりも認証の精度が高いように感じる。

ただXperiaに慣れている自分からすると認証の際に電源ボタンを押さないといけないのが違和感。自分はXperiaで触れるだけに慣れているのでユーザーによって感じ方が違うかもしれません。

そして前モデルの時から地味に良かったスピーカーですが音量を50%に設定してテストしてみました。音量にしろ音質にしろコンパクトモデルであることを考えると十分で相当頑張っています。

ただ本体の共振はかなりひどいのでXperia 5Ⅳにはトータル的に及ばない感じです。

カメラを確認。

最後にカメラですがメインカメラセンサーは変更なく1/1.56インチのIMX766を継続採用。ただ6軸ジンバルスタビライザー機能がより強化されており手ブレ補正はより強化されています。

一方で超広角とインカメラに関してはOminiVisionに変更されオートフォーカス性能もカット。そのため分かりにくい部分ですが露骨にコストカットしている感じで印象はよくありません。

とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。

超広角で撮影。

センサーが変更され画質も悪化するかなと思っていましたが、白飛びはしっかり補正されつつ色味は過度の補正がされるわけでもなく使いやすいカメラに感じます。

ただちょっとノイズが多いというか解像感が足りないようにも感じますが気のせいでしょうか。

広角で撮影

メインカメラセンサーは変更がないため特段心配もしていませんでした。

接写しても最短撮影距離が長いという印象もなくフォーカス精度もそこそこという感じ。機種によってはフォーカスが全然合わないものもあるので、それと比較すればかなり使いやすいです。

ただタップしてフォーカスを合わせれば問題ないですが、逆にフォーカスを指定しないとイメージと違う部分に合っている時が地味にあるという印象です。

ポートレートで撮影。

次にポートレートで1倍で撮影してみました。機種によってはかなり手こずる被写体ですが簡単に撮れたので十分。

一応2倍でも撮影できますがノイズが多くなることに加え、全体的に暗めというかコントラストがはっきりした写真になるという感じです。

望遠で撮影。

2倍/3倍/5倍/8倍の順番で撮影してみましたがノイズ的には3倍が限界という感じです。あと3倍と5倍では背景の植物の色味が全く違うのがちょっと気になる感じ。

また撮影した日が最高気温36度とかなり暑い日だったことも影響したのか、ズーム撮影時のみ撮影後の画像処理に時間がかかっていたのは気になりました。

50MPモードで撮影。

そしてアスペクト比4:3限定ですが高解像度モードで撮影してみました。通常モードと比較すると色味がかなり濃いめになるので、分かりやすくはっきりとした写真が撮れるという感じです。

ただ画像処理に時間がかかるため手ブレが発生しやすくなるのは注意が必要です。

ナイトモードで撮影。

手持ちサンプルを撮影してきましたが無理に明るく補正する感じではないのが好印象です。また外灯レベルであれば、それなりに白飛びを抑えてくれますが、強い照明などになると白飛びにゴーストが発生する感じです。

何よりカメラ全体で見るとミドルレンジ寄りという感じでパッとしませんが、他社の最上位のように癖が強いわけではなく撮りやすいカメラを搭載している印象です。

全体的なスペックでみるとカメラは控えめなのでカメラ重視でない人向けとなりますが、それでも十分な写真が撮れる印象です。

まとめ。

今回は日本で発売される可能性があるZenfone 10を購入したので開封レビューをしてみました。Twitterで話題のまめこさんのところで購入しており自分が購入した時は13万円くらいでした。

価格的には十分に競争力がありますがコンパクトモデルが欲しい人にとっては絶対的な選択肢。おそらく国内ではPixel 8やGalaxy S23にiPhone 15やXperia 5Ⅴがライバルになると思う。

スペック的に見れば際立った何かがあるわけではありませんが全体的なバランスが非常にいい。

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