Xperia 1Ⅳが国内で6月3日より発売されて早速購入したので先行レビューで試しきれなかった部分をレビューしてみました。詳細は「Xperia 1Ⅳ開封レビュー。結局発熱はちょっと不安が残る感じに」をご参照下さい。
また先日には香港版のXperia 5Ⅳを購入して開封レビューをしてみましたが発熱以外は想像以上に良く良機種に仕上がっている印象を受けます。詳細は「Xperia 5Ⅳ 開封レビュー。満足度激高。けど発熱はひどめ」をご参照下さい。
さて今回個人的にお気に入りの機種であるXperia 1ⅣとPixel 7 Proのどちらがおすすめなのか比較レビューをしてみたいと思います。
最初に結論。
最初に結論を言ってしまうとXperia 1Ⅳが高いというのもありますがPixel 7 Proがかなり安い。今やハイエンドは10万円オーバーの中で最上位モデルが12万円ちょっとで買えるのは魅力的です。
Pixelは80%ルールが採用され開発されているので全体的にバランスが良く使いやすいと思います。個人的におすすめしやいのはPixel 7 Proで高いお金を出すなら何か尖った機能が欲しい。
そんなユーザーに対しておすすめなのがXperia 1Ⅳという感じでおすすめしにくいです。
デザインを確認。
その上でデザインを確認したいと思います。Xperia 1Ⅳの方がディスプレイサイズが小さいとはいえアスペクト比の差からも縦幅がありますが一方で横幅が71mmとかなりスリムにまとまっています。
また本体の重さも30g近くの差があるためPixel 7 ProがデカいというよりはXperia 1Ⅳが6.5インチのディスプレイを搭載した機種と見たときにかなりスリムで軽いという感じです。
各メーカーの最上位モデルは今や210g以上が当たり前の世界ですがその中で200g以下と貴重な選択肢。よくXperiaは縦長と批判されますがアスペクト比21:9のメリットの一つが取り回しの良さです。
最上位モデルを購入する人はそこまで取り回しの良さを求めるとは思えませんが少しでも求めるならXperia 1Ⅳを選んだ方がいいと思います。
両機種ともバックパネルにGorilla Glass Victusを採用しており耐久性は十分。また質感に関して両機種とも高級感を感じますが見せ方が違います。
まず本体上部を確認。Xperia 1Ⅳはイヤホンジャックを搭載していることを確認できる一方でPixel 7 Proはミリ波用のアンテナがちょっと目をひきます。
本体左側面を確認するとPixel 7 ProはSIMトレイを確認できます。一方でそのデザインからもPixel 7 Proの方が本体の厚みがあるのにPixel 7 Proの方が薄く見えます。
本体下部を確認するとUSB-Cは共通ですがXperia 1ⅣはSIMトレイを搭載しているのに対してPixel 7 Proはスピーカーグリルを搭載。Xperia 1Ⅳはデュアルフロントスピーカーのためサイド部分にスピーカーは搭載していないです。
そして本体右側面を確認するとXperia 1ⅣとPixel 7 Proでは電源ボタンの位置が逆です。またXperia 1Ⅳは特徴の一つとも言えますがシャッターボタンを搭載しています。
Xperia 1Ⅳはサイドフレーム含めてマット仕上げでPixel 7 Proは全体的に光沢仕上げです。
もちろんカラバリによりますが光沢仕上げの方が指紋が目立ちやすくお手入れがちょっと面倒です。
ただ手持ちのヘーゼルでみるとXperia 1Ⅳに及ばないですが指紋がそこまで気になることはないです。
あとはこの価格帯になってくるとデザインに拘っているユーザーもかなり多いと思いますが評価が分かれそうなのがカメラデザインでXperia 1Ⅳは垂直型を採用してスッキリした印象。
一方でPixel 7 Proは並列型を採用しておりカメラがあえて目立つようなデザインに感じます。個人的にXperia 1Ⅳの方が好みですがPixel 7 Proはテーブルに置いた時などガタガタしない。
個人的な印象としてPixel 7 Proは高級感に対してXperia 1Ⅳは洗練された上品さという感じ。またXperia 1Ⅳは全体的に角ばったデザインに対してPixel 7 Proは丸みを帯びたデザイン。
デザインは好みの問題で取り回しの良さを求めるならXperia 1Ⅳを選んでおけば間違いないです。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイを確認したいと思います。Xperia 5ⅣとPixel 7の比較の時でも触れましたがアスペクト比の違いに加え横幅の違いからもXperia 1Ⅳの方がコンテンツが小さく表示されます。
文字の大きさはもちろん写真に漫画など全般的に小さくなるので視認性は落ちます。ただコンテンツが小さく表示される一方で一度に表示できる情報量が僅かに大きくなるのがメリット。
あと最近どんどん気にする人が減ってきたなという印象ですがアスペクト比が16:9により近いPixel 7 Proの方がKindleなどを表示した時に余白部分がXperia 1Ⅳと比較するとまだマシです。
また見やすさに直結する要素の一つとしてディスプレイ輝度がありますが屋内で自動調節の場合ほとんど差がありませんがPixel 7 Proの方が綺麗に見えるだけなのか僅かに明るく感じます。
Xperia 1Ⅳでも屋内では十分な明るさであることからもPixel 7 Proは結構明るいかも。一方でPixel 7 Proの1000nitsはHDR表示に限定。またHDR対応コンテンツを再生する場合にXperia 1Ⅳはクリエイターモード対応コンテンツならほぼ最大輝度で表示されるので結果ほぼ変わらず。
ただ屋外で直射日光などが強い日などPixel 7 Proは高輝度モードで最大となるため屋外の使用頻度でユーザーの印象が違いオールシーンに対応できるのはPixel 7 Proという印象です。
何よりXperiaもPixelもディスプレイの暗さがデメリットで今年で改善されたのはなんか嬉しいです 。
そしてスペック上に差があるのは表示解像度でXperia 1Ⅳは何方かと言えば寒色系の色味でPixel 7 Proは暖色系の色味で好みで差がでる。Xperia 1Ⅳは4Kに対応していることもあるのか黒の表現力がより精細で映像全体が引き締まって見え結果映像全体に臨場感を感じます。
YouTubeの再生でも実感することができることから映画などを高精細で楽しみたい人におすすめです。
またYouTube premiumでしか今後YouTubeの4K表示が出来なくなりますがXperia 1Ⅳの場合4K相当にアップコンバートしてくれる機能があるのである他の機種より高精細に楽しみやすい。
ディスプレイに関しては単純に見やすさはPixel 7 Proで高精細さはXperia 1Ⅳという感じです。
基礎スペックを確認。
そして次に基礎スペックですがアップデートサポート期間に大きな差がありPixel 7 Proは最大5年。
Xperia 1Ⅳは直販モデルが存在しますがアップデートに対するスタンスはキャリアと同じ感じで海外版のように丁寧にやる感じではなくメジャーアップデートはむしろキャリアより遅いことが多い。
ここは直販モデルに頑張って欲しいところなのですがキャリアに配慮しているのか差がほぼない。結局Sonyが公式発表をしないためアップデートサポート期間も3年に対応するかはキャリア次第です。
一方でPixel 7 Proはキャリアモデルであろうと基本Googleがまとめて配信しているのでキャリアはほぼ関係なく毎月丁寧にアップデートが配信され3ヶ月に1回は新機能が追加されます。
高価格帯になると難しいところで最上位を購入するようなユーザーが5年対応しているから5年使うという感じではなく2年とかかなり短期サイクルで乗り換えるユーザーも多い印象があります。
一方で高いからこそ長く使いたいというユーザーもいるためメーカーとしても判断が難しいところ。ただ一つ言えるのは価格が一緒ならサポート期間が長ければ両方のニーズを満たすことが可能。
Xperiaに関してはせめて新製品発表の際にサポート期間をしっかり発表して欲しいように感じます。そしてeSIM込みのDual SIM/ミリ波対応は一緒。
ただPixel 7 Proはdocomoのバンドが最適化されておらず地方都市での高速通信に使われているB21とdocomoの5G対応エリアの半分とも言われているn79に非対応のため対応モデルと比較すれば平均通信速度が遅くなる可能性があり。
5Gに関しては繋がらないということもあると思いますがこれはユーザーの住環境次第です。5Gも結局4Gと大して変わらない印象で5Gの方が消費電力が多いなら4Gがしっかり繋がればいい。
そう考えているユーザーにとってはB21/n79非対応はそこまで問題ではないかも。またdocomoやahamo契約でeSIMをPixel 7 Proで使う場合動作保証対象機種ではないので注意です。
容量構成に関してXperia 1Ⅳの直販モデルはRAM16GB/ROM512GBと大容量モデルが存在。さらにSDカードスロットも搭載しているためXperia 1Ⅳの方がアドバンテージに感じます。
Xperia 1Ⅳはキャリアモデルでも最低256GBからなので余計にそう感じます。そして気になる人が多い発熱ですがまずベンチマークを3回連続で回してみました。
今回のテストでみる限り最高スコアはやはりSnapdragon 8 Gen 1を搭載しているXperia 1Ⅳの方が高いですが発熱制御のためのソフト制御がかなり強めのためスコアの下落幅が大きいです。
一方でPixel 7 Proに関してはXperia 1Ⅳと比較すればスコアは発熱に応じて緩やかに減少。ベンチマークのテスト時間も1回目はXperia 1Ⅳの方が速く終了しましたが発熱制御で落ちるため2回目の終了がほとんど一緒で3回目はPixel 7 Proの方が速く終了する流れでした。
内部温度を確認するとXperia 1Ⅳの方が温度が上がりやすくPixel 7 Proの方が緩やかな印象。両機種ともグラファイトシートによる放熱対策がメインのため負荷をかけると熱くなります。
今回のベンチマークに合わせて外部温度も計測してみましたがXperia 1Ⅳは39.1/40.8/41.9度に対してPixel 7 Proは34.1/36.7/38.6度なので触った感じとしてもPixel 7 Proの方がまだマシ。
本体が熱くなることはしっかりと放熱されていることなので決して悪いことではありません。ただPixel 7 Proの方が不快に感じない上でパフォーマンスの持続性がまだ安定している。
Xperia 1Ⅳは残念なことに温度上昇がしやすい印象で低照度のサンプルを撮影しにいった時も7台持っていて唯一Xperia 1Ⅳのみが発熱するなど扱いにくいような印象を受けます。
ただ追加コストがかかるとはいえ直販モデルはグリップなどを使うことで撮影持続モードに対応。またゲームをする時はXperia Streamでパフォーマンスを安定させることが出来るので純正のアクセサリーで逃げ道があるのをどう捉えるかはユーザー次第という感じです。
ただ逆にアクセサリーなどに頼らないと簡単に発熱してパフォーマンスが安定しない印象です。日常使う上ではPixel 7 Proの方が明らかに発熱のストレス値は低いと思います。
そして電池持ちに関して海外サイトのバッテリーテストを参考にするとXperia 1Ⅳのスコアは100を獲得。Pixel 7 Proのスコアがまだ発表されていませんが前モデルから3割近く電池持ちの改善が必要。
そう考えると使い方次第の面はありますがXperia 1Ⅳの方が電池持ちはいいと思われます。充電速度に関してXperia 1Ⅳはフル充電に1時間40分程度でPixel 7 Proはおそらく1時間50分前後。
充電速度にスペック上差がありますがそこまでの差があるわけではなく同じくらいのイメージです。
生体認証に関してXperia 1Ⅳは電源ボタンに統合された指紋認証で認証精度も認証速度もいい感じ。Pixel 7 Proは手持ちの個体で見れば前モデル対比でしっかりと改善されたこともあり快適。
認証してからホーム画面が開くまでもPixel 7 Proの方が明らかには早いという印象です。ただ注意点としてはPixel 7 Proの方がアクセサリーとの相性もあるので個体差が出やすいです。
とはいえPixel 7 Proはロック解除のみで顔認証を使うことが出来るので汎用性は高いです。
そしてイヤホンジャックはXperia 1Ⅳのみで音量を50%に設定した上でスピーカーテストをしました。
音量に関してはPixel 7 Proの方が明らかに大きいという印象ですが音はXperia 1Ⅳの方が音圧がしっかりしていることもあり音の輪郭がはっきり聞こえることを確認できます。
Pixel 7 Proに関してはスピーカーが前モデル対比でもそこまで進化した印象を受けないためオーディオのスタートアップを買収していることからもそろそろ本腰をいれて強化して欲しいところ。
Xperia 1Ⅳやワイヤレスはもちろん有線接続時においても音質はかなり優秀に感じます。Pixel 7 Proに関しては音がいいと思うことはあってもXperia 1Ⅳのように聞き入る感じにならずまた360 Reality Audioや360 Upmixなどより幅広く音楽を楽しめるようになっています。
カメラを確認。
そして最後にカメラを確認したいと思います。前モデル対比で両機種とも望遠レンズが小型化。
同じくペリスコープを搭載していますが使い方が異なりXperia 1Ⅳは中距離撮影に特化。一方でPixel 7 Proはズーム画質を底上げした上で最大ズーム倍率をさらに強化しています。
まずこの時点で5倍程度のズーム倍率でバースト撮影やフォーカス性能を重視するならXperia 1Ⅳです。そして最大ズーム倍率を重視するならPixel 7 Proという感じで分かれると思います。
写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
まずXperia 1Ⅳで超広角で撮影。
次にPixel 7 Proで撮影してみましたがやはり明るく補正されている印象。
次にXperia 1Ⅳで撮影。
そしてPixel 7 Proでも撮影してみましたがXperia 1Ⅳの方が空が白飛びしているのがちょっと気になります。
広角で撮影。
次にXperia 1Ⅳで広角で撮影してみました。
次にPixel 7 Proで撮影してみましたが色味が大きく異なるためここで好みが分かれてくると思います。
そしてXperia 1Ⅳで接写してみました。
Xperia 1Ⅳで接写するとワントーン暗めなるという印象です。一方でメインカメラセンサーのサイズに大きな違いはあれど接写であればそこまでボケ感に差があるような印象は受けません。
望遠で撮影。
次にXperia 1Ⅳでは光学最低倍率となる3.5倍で撮影。
そしてPixel 7 Proでも撮影してみましたがそこまで画質に差があるような印象を受けません。
次にPixel 7 Proに合わせてXperia 1Ⅳの光学ズーム範囲である5倍で撮影。
そしてPixel 7 Proでも同様に撮影してみました。
次にXperia 1Ⅳで10倍で撮影。
そしてPixel 7 Proでも撮影してみましたがそこまで画質に大きな差がある印象はありません。ただXperia 1Ⅳの方が僅かにノイズが多いようにも見られます。
最後にXperia 1Ⅳのほぼ最大ズーム倍率となる15倍で撮影。
そしてPixel 7 Proで撮影してみましたがここまでくると明らかにPixel 7 Proの方が高画質で撮影できていることを確認できます。
ただズーム撮影をしていて気になるのはPixel 7 Proは5倍の倍率を境目に色味が変わるところです。おそらくチューニング不足だと思いますが被写体によって黄ばんで見えるのが気になります。
何より10倍程度であれば被写体によると思いますが画質にそこまでの差を感じることはなくあとはXperia 1Ⅳのバースト撮影を重要視するかどうかだと思います。
そして次に低照度の環境において三脚に固定かつPixel 7 ProはナイトモードでXperia 1Ⅳは申し訳ないですが低照度撮影で写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
低照度撮影。
まずXperia 1Ⅳで低照度撮影をしてみました。
次にPixel 7 Proで撮影してみましたがナイトモードに対応している分全体的に明るくまた僅かに白飛びも抑えられています。
そしてXperia 1Ⅳで撮影してみました。
そしてPixel 7 Proで撮影してみました。Xperia 1Ⅳは露光時間を長くして撮影できる低照度撮影に対応していますがナイトモード非対応。結局露光時間を長くしても写真全体は暗めで白飛びもPixel 7 Proよりしやすい印象です。
一方である程度の光量がある環境だとXperia 1Ⅳでもそれなりの写真が撮れる感じですがフォーカスが不十分だと低照度撮影が不発になって終わるのがちょっと気になります。
何よりより自分好みの写真を撮りたい場合はマニュアル撮影になりますが三脚は必須です。他の機種と比較して手ぶれ補正が弱いため特に夜の撮影は三脚がないと厳しいように感じます。
まとめ。
今回はXperia 1ⅣとPixel 7 Proの比較レビューをしてみました。同じく直販モデルで価格を確認してみるとPixel 7 Proは256GBが13万9700円に対してXperia 1Ⅳは512GBモデルで17万4900円で価格差は約3万5000円という感じです。
Xperia 1ⅣはゲームエンハンサーもそうですがMusic ProにゲームやビデオをYouTubeを通してライブ配信する機能なども持っています。Pixel 7 Proは多くのユーザーが求めるニーズにしっかり満たした上でカメラをより強化。
一方でXperia 1Ⅳは多くの人がそこまで必要ないと感じるけど拘りがある人やこんな機能があったらないいなと思う人向けの機能を搭載している感じでまさにオタク向けの機種という感じです。
Xperia 1Ⅳは価格的にもスペック的にもおすすめとは言いにくくXperiaの最新機種だから購入するというような機種ではない。ただ他の機種にはない唯一無二の機能に多く対応している感じ。
Xperia 1Ⅳは前モデルのデメリットをしっかり潰してきましたが発熱にかなり足を引っ張られておりPixel 7 Proに関しては発熱含めてしっかりとデメリットを潰してきた印象を受けます。
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