Xperia 1Ⅳが国内で6月3日より発売されて早速購入したので先行レビューで試しきれなかった部分をレビューしてみました。詳細は「Xperia 1Ⅳ開封レビュー。結局発熱はちょっと不安が残る感じに」をご参照下さい。
また先日にSonyはXperia 5Ⅳを正式発表しており望遠レンズの変更はサプライズでしたがXperia 5Ⅲのデメリットをしっかり潰すなどいい感じの進化を遂げています。
詳細は「これは超待望の神機種が正式発表。Xperia 5Ⅳがめちゃくちゃ欲しい」をご参照下さい。さて今回コンパクトモデルとして注目度が高いZenfone 9とXperia 5Ⅳの比較レビューをしてみたいと思います。
結論
最初に結論を言ってしまうと何よりサイズ感が優先で使いやすさや手軽さを優先している人にはZenfone 9が圧倒的におすすめで多くのユーザーにとってZenfone 9の方が後悔しにくいと思います。
やはりXperia 5Ⅳは突出している部分もある一方で一般受けはしにくいかなという印象です。その上で気になるポイントを比較したいと思います。
デザイン比較。
まずデザインですがスペックほど差がない印象。特に縦幅が8mmの差があるためもう少し差があるようなイメージでしたが実際に比較してもこのサイズ感ならXperia 5Ⅳでもそこまで気にならないかも。
とはいえ片手操作のしやすさやポケットへの収まりの良さなどZenfone 9に絶対的なアドバンテージがあることに違いはありません。一方で横幅が僅かに増していることに加え本体が割と分厚い方が個人的にはきになる印象です。
これはユーザーの手の大きさ次第の面もありますが個人的にはXperia 5Ⅳの方が手に馴染む。
結局Zenfone 9の大きさでも自分の手の大きさだと持ち替えなしでは親指で全範囲カバー出来ないので結局持ち替えなしであればXperia 5Ⅳの大きさでも十分で自信の手の大きさと要相談という感じです。
ちなみに自分の手の大きさで持ち替えなしで届くのはiPhone 13 miniがギリギリという感じでした。デザイン全体で見ると好みが分かれるところ。
筐体の材質が異なりXperia 5Ⅳはガラスを採用している一方でZenfone 9は軽量化のためにプラスチックを採用。そのため同じくマット仕上げでも異なり
Zenfone 9は表面がザラザラしていることからも指紋は目立ちにくいですが汚れが目立つ印象。
一方でXperia 5Ⅳは指紋は僅かに目立つけど汚れはそこまで目立たないと逆の印象があります。カラバリにもよると思いますがXperia 5Ⅳの方が高級感を感じお手入れもしやすいです。
Zenfone 9は背面のロゴに質感からもカッコいいとはなっても高級感は感じにくいと思います。
その他本体上部にイヤホンジャックを搭載。
本体下部はUSB-CにSIMトレイを搭載。
そして本体右側面には音量ボタンと指紋認証が統合された電源ボタンの搭載と非常に似ています。ある意味お互いを意識しているのかと思うくらいですが全体的なデザインは好みが分かれると思います。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイを確認したいと思います。表示解像度は同じくFHDですがディスプレイサイズの違いからも僅かに画素密度などに違いはありますが気にするような差があるわけではありません。
YouTubeを再生してみるとXperia 5Ⅳの方がより映像に臨場感を感じるというか色が濃く感じます。一方でZenfone 9はちょっと淡い感じです。その他Xperia 5ⅣはリアルタイムHDRドライブに対応。
動画などの視聴時にフレームごとの輝度や階調を動的に解析 夕日などの白とびしやすい明るいシーンもハイライトを調整し色の再現性を最適化。また明るい環境下でもコントラストのはっきりした映像を視聴できる機能なので映像をしっかり楽しみたいユーザーにとっては嬉しい機能です。
また同じく最大120Hz表示に対応 Xperia 5Ⅳはオンかオフの選択肢しかありませんがZenfone 9は60/90/120/自動とリフレッシュレートを制御することが可能。ただ可変式には非対応です。
基本は自動に設定していますがTwitterのスクロールなど日常的な動作はZenfone 9の方が快適。Xperia 5Ⅳもかなりサクサク表示されますがZenfone 9はヌルヌルかつ超サクサクという感じです。
チューニングの差なのかZenfone 9の方が快適で現在のリフレッシュレートを表示できるのも面白い。Xperia 5Ⅳも開発者オプションをオンにすれば表示可能ですがZenfon 9は関係なく表示できます。
そしてディスプレイ輝度においてASUSの発表によると白い画面を表示する時は手動で最大800nitsで自動では1100nitsとしていますが真っ白の画面を表示する時なんて日常ではほとんどないです。
なので海外サイトのディスプレイテストを参考にするとXperia 5Ⅳの方がスペック的には明るい。
これは屋内の環境であってもXperia 5Ⅳが明るいことを確認できZenfone 9の縛りが厳しいのでXperia 5Ⅳの方が日常使う上では明るいディスプレイに感じることが多いと思います。
ディスプレイ全般で見ればXperia 5Ⅳの方がユーザビリティが高いと思います。
基礎スペックを比較。
次に基礎スペックを確認したいと思います。両機種とも記事執筆時点で国内未発表なので推測ですが両機種ともミリ波非対応の可能性。ただミリ波より気になるのがdocomoのバンドへの最適化です。
Xperia 5Ⅳに関してはdocomoモデルや今後直販モデルという選択肢があると思うので心配なし。ただZenfone 8の時点でB21やn79に非対応だったことからもZenfone 9でも非対応の可能性あり。
これは正式発表されるまで不明ですがキャリアモデルとして発表される可能性が低いのでdocomo関連のSIMカードを使っているユーザーは注意が必要です。
またSIMトレイにSDカードは一緒ですがXperia 5Ⅳは物理にeSIMのDual SIMでZenfone 9はおそらく物理のDual SIM構成。なのでZenfone 9はSDカードを使う場合はDual SIMとして使うことは出来ないと思います。
そして容量構成に関して日本でのどのタイプが販売されるか不明ですがZenfone 9の方が豊富です。正直このサイズ感だとゲームをやるのにも向いていると言えないのでRAM16GBもいるのか疑問です。
そして気になる人が多いのが搭載SoCの違いです。まずベンチマークを3回回して負荷をかけてみました。
スコアに関しては雲泥の差でZenfone 9は今回まわした中で100万点を一度もきることがなく強い。
一方でXperia 5Ⅳは内部温度が上がるにつれスコアを落としており最終的には57万点です。この時点で一つ言えるのは搭載SoCとハード面での発熱対策の違いからもZenfone 9の方がパフォーマンスの持続性がかなり優秀。
特にゲームなど長時間プレイしたい人にとっては嬉しいところ。ただ気になるのは内部温度でSnapdragon 8+ Gen 1を搭載しているからと言って発熱が控えめということはなく内部温度は45度まで上がっています。
ちなみに1回ごとにテストが終了した時点で外部温度を計測しましたがZnefone 9は40.4度/46.7度/47度と実際に持ってもめちゃくちゃ熱いです。またXperia 5Ⅳは41.4度/43.1度/43.0度なのでZenfone 9の方が外部温度も高いです。
さらに気になったのがサイドフレームでメタルを採用しているのが裏目に出たのか3回目終了時点で40度を超えたのに対してXperia 5Ⅳは同じ条件で36.4度だったのでまだマシという感じです。
どう捉えるかユーザー次第ですが発熱しても高いパフォーマンスを維持出来るのとで発熱が抑えるためにパフォーマンスを制御するのどちらがいいか。
逆にZenfone 9はどんなに本体が熱くなっても挙動が不安定になったりする確率は低いですが本体が熱すぎて正直持っているのが厳しいと思う。Xperia 5Ⅳでいうグリップ前提の撮影持続モードが条件なしで使えるという感じです。
普段使っていて熱く感じることはありませんが負荷をかけるとめちゃくちゃ熱くなります。
どうもSnapdragon 8 + Gen 1が最強説があり勘違いしている人もかなり多い印象ですがパフォーマンスの持続性が優秀なだけで発熱しにくいわけではないので過信を避けることがおすすめです。
バッテリー関連で大きな差なのがXperia 5Ⅳのみがワイヤレス充電対応。さらに使い方次第ですが海外サイトのバッテリーテストの結果を参考にするとXperia 5Ⅳの方が電池持ちは優秀です。
一つ言えるのは両機種とも筐体サイズを考えれば十分な電池持ちを実現しておりそこまで心配の必要なし。
また生体認証は共通して電源ボタンに統合された指紋認証で認証速度はZenfon 9の方が優秀に感じます。
一方でロックをする前にたとえばカメラなどを開いていた時などたまにロック解除した後に画面が開くまでにめちゃくちゃタイムラグがあることがありXperia 5Ⅳにはないので気になる。
一方でZnefone 9は顔認証に対応しているので生体認証の汎用性は高いと思います。
そして音量を50%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたが音量や音質に関しては思っていた以上に大きな差がありXperia 5Ⅳの方が優秀。また共振問題ですがZenfone 9は結構するのに対してXperia 5Ⅳは割としっかりと抑えられている印象を受けます。
また有線接続でイヤホンの聴き比べをしてみましたがXperia 5Ⅳの方が音圧がはっきりしています。オーディオ関連に関してZenfone 9をXperia 5Ⅳが完全に圧倒しているという印象です。
カメラを確認。
最後にカメラを確認したいと思います。Xperia 5Ⅳのみが望遠レンズを搭載している一方でメインカメラセンサーに関してZenfone 9は1/1.56インチとより大型センサーを搭載しています。
また基本はピクセルビニングをしていますがアスペクト比4:3限定で高解像度モードにも対応。写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
まずXperia 5Ⅳで撮影。
次にZenfone 9でも撮影してみましたが全体的に明るめ。ただ超広角特有の歪みがちょっと発生しているような印象を受けます。
次にXperia 5Ⅳで撮影。
そしてZenfone 9で撮影してみましたが影になっている部分もしっかりと持ち上げられていることを確認。だからといって不自然なほど加工されている印象はありません。
広角で撮影。
次にXperia 5Ⅳで1倍で撮影してみました。
逆光に近いシーンですが両機種ともちょっと白飛びぎみという感じでしょうか。またZenfone 9は一定の確率で絵みたくなりますがこのサンプルは絵に近い印象です。
次にXperia 5Ⅳで撮影。
Zenfone 9の方がよりはっきり撮影できている印象を受けます。
そしてXperia 5Ⅳで撮影。
Zenfone 9の方が明るく補正されていて見やすいですがXperia 5Ⅳと比較すると加工感が強く感じます。
望遠で撮影。
次にXperia 5Ⅳで2倍(デジタル)で撮影。
同様にもZenfone 9でも撮影。
次にXperia 5Ⅳで2.5倍(光学)で撮影。
同じくZenfone 9でも撮影しましたが光学とデジタルの差ということもあり画質の荒さが気になります。
そしてXperia 5Ⅳで最大となる7.5倍で撮影。
Zenfone 9でも同様に撮影しましたが流石に望遠レンズなしでこの倍率は厳し目です。ただ2倍程度であれば十分なのでちょっとズームして撮影したい時のニーズはしっかり満たしている印象を受けます。
低照度の撮影。
次に低照度の環境において三脚固定は共通。Zenfone 9は自動検出のナイトモードで撮影。Xperia 5ⅣはISO (auto)/SS(8秒)/24mmで撮影してみました。
やはりナイトモードに対応しているのと大きな違いは白飛びのしやすさ。Zenfone 9は白飛びを抑えつつもより明るい写真が撮影できています。
Xperia 5ⅣはISO (auto)/SS(8秒)/24mmで撮影。
やはり全体的に明るめですがある程度光量がある場所だとXperia 5Ⅳも悪くないです。今回のサンプルだとZenfone 9の方は絵に近い感じになっています。
そしてXperia 5Ⅳで三脚/低照度撮影でサンプルを撮って見ました。
同じオートにするとZenfone 9の方が明るく撮影できておりそこまで不自然な明るさまで補正されないのもポイントです。カメラに何を求めるかはユーザー次第ですがZenfone 9の方がトレンドに沿ったカメラを搭載。
またジンバル撮影や8K撮影に対応など機能面の多さも魅力。ただXperia 5Ⅳにアドバンテー時を感じるのは被写体が動体の場合で秒20コマのバースト撮影はもちろんフォーカス性能がかなり優秀。
何も考えずに使えるのがZenfone 9で何か撮りたいものが明確に決まっているならXperia 5Ⅳです。
まとめ
今回はハイエンドコンパクトモデルとして人気が高いZenfone 9とXperia 5Ⅳを比較してみました。Zenfone 9は技適の認証が通過していることからも国内で発売される可能性は高い。
一方でXperia 5Ⅳも記事執筆時点で国内発表されていないことからも価格などは不明です。ちなみにアメリカでの価格を参考にするとベースモデルでZenfone 9は$699でXperia 5Ⅳは$999。
なので国内でもほぼ間違いなくXperia 5Ⅳの方が高いと思います。価格差がアメリカで見れば4万円弱ありますがこの価格差をどう捉えるか。ディスプレイやオーディオに拘るならXperia 5Ⅳで価格とサイズ感に分かりやすいカメラを優先するならZnefone 9という印象です。
一つ言えるのはSoCだけでZenfone 9を選ぶとほぼ間違いなく失敗すると思います。
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