変化が早すぎる?なぜXperiaはこんなに批判されやすいのか3つの理由

先日には香港版のXperia 1Ⅴを購入して開封レビューをしてみましたが、Xperiaが好きなユーザーにとっては堪らない一台になっていると思います。詳細は「Xperia 1Ⅴ 開封レビュー。ずっとこんなXperiaを待ってました」をご参照下さい。

また国内で発売予定となっているXperia 5Ⅴですが、イメージを刷新するためかPVの雰囲気が大きく変わった一方で一般層向けではないのでまとめてみました。詳細は「一般層向けではない。Xperia 5Ⅴを安易に購入すべきではない4つの理由」をご参照下さい。

さて今回近年Xperiaはなぜこんなに批判されやすくなったのか主観的にまとめたいと思います。

ユーザーが変化についていけない。

まず一つ目としてSonyのブランド力で購入していた人がかなりいた可能性があること。Xperiaはスマホ黎明期から展開されており今でも存続している貴重な国内メーカーです。

またガラケーの時代からも展開しており長年Sonyの機種を使ってきた人が多いと思います。今の若い世代であればメーカーに対する固定的なイメージはないかもしれませんが自分の親世代になってくるとどんなに安くても知らないメーカーの機種を買おうとしない。

またiPhoneはまだしも可能であれば昔からあるSonyなど日本のメーカーが安心という感じです。現に高齢者をターゲットに価格をかなり抑えたXperia Ace IIは大ヒット商品でした。

もちろん安いということもあると思いますがスマホに疎い高齢者でもSonyは認知しているため手に取りやすかった結果が大ヒットに繋がったと思われます。そしてiPhoneもそうですがブランド力で売れるメーカーの機種は何方かと言えば革新性より保守的な事が求められがち。

ざっくり言ってしまえばスペックで買ってるというよりはブランドで買っているので何かすごい機能より使いやすさが重視されがちです。

実際にスマホ市場でトップとなっているSamsungやAppleは進化よりも価格抑制を優先しており近年あまり進化を感じられません。一方でSonyはスマホ市場で生き残るために他社と異なり使いやすさ重視路線をやめてます。

転換期となったのが2018年からの岸田体制で2019年に登場したXperia 1シリーズから刷新。コンセプトも好きな人にとことん好きになってもらえるようにと大きく方向転換しています。

その結果使いやすさよりもSonyの拘りが強く反映されるようにターゲット層がかなり限定的に。ただターゲット層からはずれたユーザーは使いやすいXperiaの復活を期待しているからこそ新型が発表された時に理想のXperiaではないので批判的な声が多くなっている印象です。

結局それだけ昔Xperiaを使ったことがある人が多かったからこそターゲット層からはずれたユーザーもかなり多いのでアンチとまでいかなくても否定的になった人が多いのかも。

昔好きだったユーザーからすれば今のXperiaはマイナー路線で迷走していると感じるかも。ただメーカーとしては存続をかけて万人向けをやめてニッチ向けにすることで差別化した。

岸田体制の元で赤字脱却が進められ商品コンセプトやマーケティングを徹底的に見直した結果黒字。なのでSonyは企業として正しい行動をしたと思いますがユーザーはおいてかれた感じに。

特に日本人は変化を嫌うのでSonyの方向転換に嫌悪している人が多いのかもしれません。

Sonyの良さを結集している。

次に2つ目として他社はエコシステムに尽力する中でXperiaは一極集中化に見えます。

他社はユーザーの囲い込みの部分もあると思いますがスマホにタブレットにパソコンなどエコシステムに取り込むためにスマホ以外のラインナップを充実させていますがこれは余力があるメーカー以外だとかなり厳しい動きではXperiaにとっては厳しいと思う。

ただモバイル部門は厳しくてもSonyグループで見た場合は余力があるのでSony製品との連携。今や終売となってしまいましたがスマートウォッチとしてはwenaでイヤホンであればWF-1000XM5などXperiaブランドではないこそ他社より充実したラインナップとなっています。

またXperiaを強化するためにSonyグループ内で連携して開発を進めています。

あまり評判が良くないですがCienema Proは部門を超えた上で開発されたカメラアプリです。従来縦割りが強かったSonyグループの中で大きく流れを変えたアプリの一つで逆にCinema Proが出ておらず部門再編成もなけらば今のXperiaはなかったかもしれません。

またSonyの強みとして映像/音楽/カメラとあるのでXperiaでその強みを強化しています。スピーカーに関してはスマホの中では頭一つ抜けた存在でその拘りは実際に聞けば分かります。

またカメラに関してはスマホカメラを目指すのではなく一眼の入門機の立ち位置を目指して開発。よくSonyはユーザーの声を聞かないと言われますがαシリーズの入門機的立ち位置のためαシリーズを使っているユーザーや実際に購入してくれたユーザーからのフィードバックを重視。

スマホのカメラではあまり求めらられていない印象を受けますがαユーザーがカメラを選ぶ際に最も重視しているのは高速オートフォーカスなのでXperiaでは最大限強化。

瞳オートフォーカスやリアルタイムトラッキング機能への対応でも動体の撮影がしやすくXperia 1Ⅴではα1が対応している秒30コマのバースト撮影に対応などチャンスを逃さない。

またCinema Proに続いてPhoto Proを開発して一時期は従来のカメラアプリと合わせて合計3つ。ただその後通常のカメラアプリはPhoto Proに統合されBasicモードが新たに追加。

そしてマニュアル撮影が可能であるビデオアプリのVideo Proが追加された感じで現在も3つ。勝手な推測ですがPhoto Proからビデオ機能を切り離してVideo ProにBasicモードとして追加。

さらにCinema ProをVideo Proに統合することで大きく2つに分かれるかなと思っています。あくまでもαシリーズと同じUIで撮影できるようにした上でBasicモードとして従来のスマホのUIで撮影できるようにすることでユーザーのニーズに応える流れになるのかも。

一眼まで開発しているスマホメーカーなんてほぼなくSonyだからこその強みとも言えます。

ただSonyはαシリーズのエッセンスをXperiaに取り込む際にスマホカメラとして進化させずデジカメとして進化させているからこそユーザーとギャップが生じて批判されやすいのかも。

またXperia 1以降はCinema ProやPhoto Proなど環境作りが優先の印象が強かったです。メインカメラセンサーも長らく刷新されず全画角でのリアルタイムトラッキング機能に対応や4K/120fps撮影やバースト撮影などSonyがやりたいことのための下地を作っていた感じ。

一方でカメラソフトの進化などがあまり見られずユーザーから厳し目の評価になったかも。ただ下地作りがある程度落ち着いたのかXperia 1Ⅴではメインカメラセンサーがついに刷新。

さらにピクセルビニングや画像重ね合わせ技術にナイトモードにS-CinetoneなどSonyらしさを活かしつつカメラソフトを一気に進化させてきたいという印象を受けます。

Sonyが高級路線という感じでSony製品のエッセンスを取り込んでもとっつきにくい可能性。尚更以前のような分かりやすい進化がないからこそSonyの良さが分かりにくいことが原因かも。

日本市場に合わせた考え方。

そして3つ目として自分自身もそうですがユーザーはかなり我儘であること。Sonyはグローバル展開しているとはいえ日本市場におけるXperiaの売上は重要になる。

そのため日本人のニーズに応える必要性もあり分かりやすい例としてはイヤホンジャックやSDカードスロットでこれらを搭載しているハイエンドクラスはXperiaとAQUOSくらいです。

また今年の世代で廃止になっていますがLED通知ランプも日本市場を意識していた可能性。他社との差別化の面もあると思いますが拘っているユーザーが多いスペックを存続させている。

またXperia 1Ⅳの時は熱制御がイマイチでかなり批判されていましたが発熱によるカメラの強制終了は本体温度上昇が起因となってユーザーの怪我を避けるためです。

逆に言えば怪我しない環境を構築できるならという前提で撮影持続モードも用意されています。日本企業らしい考え方だなという印象で海外メーカーにはあまりない考え方だと思います。

ただこれも裏目に出ており単純に長時間撮影が出来ないと批判されるだけになっています。

またXperiaのアップデートサポート期間が短いと批判されますが日本市場を想定している可能性。そもそもスマホを買う時にキャリアで購入する人が全体の9割以上と言われています。

さらにキャリアで購入するユーザーの9割は分割で購入すると言われておりほとんどの人はキャリアが推奨しているプランで購入いていると考えた方が分かりやすいと思う。

基本キャリアは定期的に買い替えをしてほしいことからも2年周期のプランを推しています。全てのユーザーが買い換える際に発売日に購入する訳ではないこと。また後継機種が出ればキャリアは在庫処分として売り切ってしまうので新製品も販売期間として約1年という感じ。

つまり最大3年間のアップデートに対応していれば多くのユーザーのニーズを満たせることに。となればコストを少しでも抑えるためにアップデートサポート期間を無理に延長しない。

結局サポート期間を伸ばしても多くのユーザーがフルに使ってくれないならコストの無駄です。日本市場に合わせた部分がユーザーの我儘によって逆にマイナスの評価になっている印象です。

結局全てのユーザーが満足する機種なんて存在しておらず仮に存在するならその機種が100%ということでiPhoneですら50%も取れていないことをみるとそいうことだと思います。

まとめ。

Androidは安いというイメージが強いせいかXperiaは高いと価格でも批判されがちです。ただ最上位で見ればiPhoneやGalaxyにAQUOSの最上位と同程度であることも事実です。

一括で購入する人は少数派なのに否定する人みんな一括価格なのがちょっと不思議という感じ。個人的には今のコンセプトが好きで今後もSonyがやりたいことを好きにやってほしい。

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