Xperia 1ⅤにS23など。2023年夏ハイエンド4機種最強決定戦レビュー

先日には香港版のXperia 1Ⅴを購入して開封レビューをしてみましたが、Xperiaが好きなユーザーにとっては堪らない一台になっていると思います。詳細は「Xperia 1Ⅴ 開封レビュー。ずっとこんなXperiaを待ってました」をご参照下さい。

ただ一方で2020年に登場したXperia 1IIで廃止になった純正キーボードアプリがXperia 1Ⅴではついにapkでもインストール出来ないようになっていることが判明しており、一つの時代の終わりを迎えた印象を受けます。

詳細は「Xperia 1Ⅴでついに終焉?あの純正アプリがapkでもインストール不可に?」をご参照下さい。さて今回は2023年夏モデルとしてキャリアから発売されているXperia 1Ⅴなど4つのハイエンドモデルをざっくりと比較してみたいと思います。

デザイン比較。

今年の夏モデルの中でキャリアから発売されているハイエンドモデルはGalaxy S23/Xperia 1Ⅴ/Galaxy S23 Ultra/AQUOS R8 proで今回はこの4機種に絞ってざっくりと比較とします。

まずデザインを確認すると無印であるGalaxy S23だけ極端に小さく感じてしまいます。

取り回しの良さに直結してくるのが本体の横幅がでGalaxy S23が圧倒的かと思いきやXperia 1Ⅴは僅か0.1mmしか差がないですが縦幅は2cm近く違うのでXperiaが縦長に見える。

また最上位モデルの中でXperia 1Ⅴは187gと今回比較した機種の中では一番軽いですが流石にGalaxy S23には及ばないです。Xperiaのデザインは縦長と批判されがちですが縦長だからこそ取り回しの良さが優れており無印には及ばないものの最上位の中では強みがある。

一方でこの4機種の中で最も取り回しが悪いのはGalaxy S23 Ultraで横幅が78mmもあり重さも234gと圧倒的に重くAQUOS R8 proと比較してもちょっと大きく感じてしまいます。

さらに取り回ししにくいサイズ感でありながらも唯一Edgeディスプレイを採用しているので自分のようなあまり手が大きくない人にとって片手操作する際に誤反応が起きることも。

少しでも持ちやすいようにEdgeディスプレイを採用しているのかデザインのためか不明ですがデカくても重い機種こそあまり実用性がないEdgeディスプレイはやめた方がいいように感じる。

少なくともサイズ感で見ればGalaxy S23で逆に最もユーザーを選ぶのがGalaxy S23 Ultraです。

カラバリに関してはキャリアによっても異なるのはいつも通りですがGalaxy S23 Ultraは512GBモデルと1TBモデルのみブラックが存在しており逆に直販版はクリームのみです。

Xperia 1Ⅴは直販版のみグリーンがありAQUOS R8 proはキャリア関係なく1色と分かりやすい。耐久性に関してAQUOS R8 proが何をを採用しているのか公式発表がないため不明です。

一方で他の3機種はバックパネルもディスプレイも最新となるGorilla Glass Victus 2を採用。こうなってくると単純にディスプレイが湾曲しているGalaxy S23 Ultraが破損しやすいです。

あとはXperia 1Ⅴのみベゼル太めのデザインで他の3機種はパンチホールデザインを採用。4機種ともマット仕上げを採用しており質感は高めでカメラデザイン含めて好みが出るところ。

デザインはかなり好みが出る部分で今回は取り回しの良さを中心に比較してみました。

ディスプレイを確認。

次にディスプレイを確認すると最上位モデルは6.5インチ以上が今は当たり前という感じです。ただ国内で見ればGalaxy S23 Ultraのディスプレイサイズの大きさが目立つ感じです。

面白いのは機種によってアスペクト比がバラバラなのでディスプレイサイズと合わせてコンテンツの見え方が異なること。

Xperia 1Ⅴは縦長のため一度に表示できる情報量が多めですがディスプレイサイズの差からもGalaxy S23 Ultraとほとんど一緒という感じ。単純にGalaxy S23 Ultraの方が横幅もあるためコンテンツも大きめに表示され見やすいです。

そしてディスプレイの見やすさに直結する部分としてディスプレイ輝度ですが注意点としてSamsungは1750nitsでSHARPは2000nitsとアピールしているのはあくまでもピーク輝度です。

実使用の面で見ればGalaxy S23とGalaxy S23 UltraはHDR表示で1200nitsで海外サイトのディスプレイテストの結果をみても公式発表に近いスペックの数値が出ています。

逆に言えば超限定的なピーク輝度だけでディスプレイの明るさを判断しない方がいいことに。AQUOS R8 proはピーク輝度以外の表記がないため何ともですがHDR表示ならもっと低いです。

逆に公式発表がないXperia 1ⅤはHDR表示で1000nits程度なので今回の4機種では一番暗い。ただ手動調節でみた場合は一番明るく感じることに加え平均的に最も明るく感じます。

最大輝度が低いため高照度の環境では一番見にくいですが屋内では逆に一番明るく感じます。そしてディスプレイスペックで見ると今回の機種の中でAQUOS R8 proのみDolby Vision対応。

Xperia 1Ⅴは独自チューニング拘りがあるのか非対応でGalaxyも依然として非対応です。Dolby Vison対応のHDR動画を撮影できる機種ならもちろんディスプレイも対応した方がいい。

ただカメラで撮れないことに加え対応コンテンツが限定的であることかも消極的なのかも。

やはり同じYouTubeでも再生するコンテンツのアスペクト比によって見え方が異なります。

ディスプレイ自体の色味含めてユーザーの好みと見え方で選ぶのが一番いいと思います。またリフレッシュレートに関してどの機種もかなりサクサクであることに違いはいです。

ただ細かく見るとGalaxy S23は48Hzからの段階式でGalaxy S23 Ultraは1Hzからの可変式。そしてXperia 1Ⅴは表示できるコンテンツは全て120HzでAQUOS R8 proはゲームなど一定の条件を満たしている場合に黒のフレームを挟むことで最大240Hzで表示可能。

ただ条件を満たなさい場合はGalaxy S23 Ultraと同じく1Hzから120Hzでの認識でいいかも。やはり多くのユーザーにとってディスプレイの見やすさが重要になってくると思います。

そうなってくるとコンテンツの大きさとディスプレイ輝度が重要かなと思います。

基礎スペックを確認。

次に基礎スペックを確認していくと標準搭載しているのはAndroid13とどの機種も一緒です。ただアップデートサポート期間にかなりの差がありXperia 1Ⅴが圧倒的に短く感じます。

この価格帯の機種を最大サポート期間を使う人はかなり限定的なのではと個人的に思いますが全てのユーザーが必ずしも発売日に購入する訳ではないので長いに越したことはありません。

Galaxyはサポートに数年前からかなり尽力していたので正直特段驚きがありませんが販売地域も販売台数もかなり限定的に感じるAQUOSがかなり頑張っているなという印象です。

もちろんアップデートサポート期間が拡張されたコスト分が価格に反映されている可能性も。

あと今や全てSIMロックが解除されているので実質SIMフリーとなっています。またどのキャリアのモデルを買っても取扱があるキャリアのバンドには対応している感じです。

以前ならau版を買うとdocomoのn79やB21に非対応ということがありましたが今回比較している4機種であればdocomoのバンドが仲間はずれにされている感じはありません。

ちなみに直販版に関しては動画撮影時点で2機種発売されておりGalaxy S23 Ultraは1TB/クリーム限定でXperia 1Ⅴは512GBで唯一3色扱うなど力の入れ方が異なります。

AQUOS R8 proに関してはメーカーが否定していないので今後発売される可能性もあります。

容量構成。

容量構成を確認するとGalaxy S23のみRAM8GBですが多くのユーザーには十分な容量。少なくともAndroidが最低限動くにはRAM6GBと言われているので最低限は満たしています。

一方でXperia 1Ⅴの直販モデルRAM16GBに対応していますが実使用において恩恵は少ない。ストレージに関しては4機種とも最新となるUFS4.0を搭載しており容量は販路によります。

Galaxy S23 Ultraの512GBはキャリアのオンラインショップのみで1TBはauと直販版のみ。Xperia 1Ⅴの512GBモデルは直販版のみとなっておりあとは拡張性があるかどうかです。

SDカードスロットが欲しい人にとっては必然的にGalaxy S23シリーズははずれてきます。そして搭載SoCに関してGalaxy S23シリーズはSnapdragon 8 Gen 2 For Galaxyを搭載。

Snapdragon 8 Gen 2のオーバクロック版でちょっとだけパフォーマンスが高いです。

発熱の程度。

とりあえず負荷をかけるためにベンチマークを3回連続で回してみました。

申し訳ないですがGalaxy 23とAQUOS R8 proは1枚分のスクショを撮り忘れたこと。

そしてXperia 1Ⅴはなぜか1回目の計測がRAM8GB以下の機種のようにGPUテストが失敗しました。

なのでスコア含めてざっくりと確認してほしいのですが最も安定していたのがGalaxy S23です。

 

ただ内部温度は46度まで上がっているのでかなり不快に感じるレベルで逆に最も不安定なのがXperia 1Ⅴという感じでこの4機種の中でパフォーマンスの持続性が最も劣っている印象。

そのため原神などのプレイテストでスコアが最も低いという結果につながっている可能性も。一方でAQUOS R8 proは内部温度が40度起点にスロットルダウンをかけて安定している感じ。

外部温度も割と安定しておりXperia 1Ⅴと同様にそこまで不快という感じではありません。また4K/60fpsで長尺撮影をしてみましたが4機種とも1時間の連続撮影をとりあえず出来ました。

ただベンチマークと違う外部温度ではAQUOS R8 proが最も高くかなり不快な熱さになります。両テストにおいてGalaxy S23 Ultraは安定している印象で不快な熱さにはなりにくい。

そしてGalaxy S23は発熱はしやすいけど安定しておりXperia 1Ⅴも意外とひどくはない。一方でAQUOS R8 proはベンチマークとカメラでは真逆の結果なのでちょっと興味深いです。

カメラテストに関してはAQUOS R8 proが最も不安定という感じで多分苦手なんだと思います。あくまでも今回のテストは25度の屋内で定点でテストをしているので気温によって変動します。

ただXperiaとAQUOSに関しては前モデル対比でだいぶ安定したなという印象を受けます。

電池持ち。

そしてバッテリー容量に関してGalaxy S23はちょっと少なめであと3機種は同じという感じ。もちろん充電速度の差もありますが有線だとGalaxy S23 Ultraが最も速くて1時間程度。

Galaxyは以前よりW数の割には充電速度が速いという感じで最大で45Wで充電する時間は数分程度ですが平均充電速度が改善しているので前モデルよりも改善している感じです。

逆にXperia 1Ⅴは1時間半前後でAQUOS R8 proは2時間前後見ておいた方がいいかもです。今回の4機種はワイヤレス充電に共通しており有線とは逆にGalaxyの充電速度が遅いです。

電池持ちに関しては海外サイトのバッテリーテストを参考にするとAQUOS R8 proは非公開。いつも参考にしているサイトが今までAQUOSのバッテリーテスト結果を公開したことはない。

なのでAQUOS R8 proも今後公開されることはないと思うので客観的なデータがないです。あくまでも自分の使い方だとGalaxy S23 Ultraが圧倒的によく寝る前の電池残量が60%以上のことが多く2日は持つ感じ。

AQUOS R8 proは使い始めたばかりなので何ともですが現時点だとGalaxy S23 Ultraの次という感じでXperia 1Ⅴは寝る前の電池残量が50%以下。そしてバッテリー容量も少ないから仕方ないのかもしれませんがGalaxy S23が一番悪いです。

最近のハイエンドの電池持ちも一気に改善しているのでやはり大型機種には敵わない感じです。ただ自分の使い方であれば1日は十分に持つ感じで前モデルのような悪い評判もほぼ聞かないです。

ベンチマーク カメラ 合計
S23 21% 25% 46%
S23 Ultra 14% 21% 36%
AQUOS R8 Pro 9% 20% 29%
Xperia 1Ⅴ 12% 18% 30%

ちなみに高負荷をかけた場合でみるとベンチマーク3回連続で消費したバッテリーはGalaxy S23が圧倒的に多くAQUOS R8 proが最も少ない。そして長時間撮影をした場合だとGalaxy S23が最も多く25%で消費電力を改善したとしているXperia 1Ⅴが一番少ないです。

やはり負荷をかけた時に発熱しやすい機種は消費電力が多いということになり今回の4機種の中では筐体サイズ的にも不利ですがGalaxy S23が一番燃費が悪いことに。

逆に電池持ちがいいと言われているGalaxy S23 Ultraはどちらでも安定している印象です。

生体認証。

生体認証に関してXperia 1Ⅴのみ顔認証に対応していないのでユーザビリティはちょっと低い。ちなみに他の3機種はインカメラを利用した2D顔認証なのでセキュリティは低いことに注意です。

そしてXperia 1Ⅴ以外は超音波式画面内指紋センサーを搭載しておりかなり快適に感じます。これが光学式ならXperia 1Ⅴの方が快適だったかもしれませんが超音波式は本当に爆速です。

ただ画面内指紋センサーはアクセサリーとの相性が出やすいのでちょっと面倒に感じるかも。その他評価が分かれる部分としてイヤホンジャックでGalaxyで使う場合はアダプターが必要。

スピーカーテスト。

そして音量を50%に設定してスピーカーのテストをしてみましたが音量が一番大きいのがAQUOS R8 proで一番小さく感じるのがGalaxy S23です。ただ音質で見るとAQUOS R8 proがすごくこもったように感じで、個人的にXperia 1Ⅴが一番バランスよく感じる。

また筐体サイズの割にはGalaxy S23もバランスがよく無印としては魅力的なスピーカーを搭載しているように感じます。

カメラを確認。

最後にカメラを確認していきたいと思いますがAQUOS R8 proのみシングルレンズカメラ。なのでAQUOS R8 proは画角を変えて撮影する時は倍率を変えるだけでセンサーは同じです。

メインカメラセンサーで見るとAQUOS R8 proが最も大きくGalaxy S23が最も小さいです。改めて他の機種と比較すると思うのがXperia 1Ⅳの時に望遠が豆粒センサーと批判されましたが今回比較した機種の中では僅かですが一番大きいので逆にGalaxy S23シリーズの望遠がすごい。

ズーム倍率も機種によって異なりGalaxy S23は光学3倍でGalaxy S23 Ultraは光学10倍。Xperia 1Ⅴは3.5〜5.2倍の可変ズームで最大ズーム倍率も機種によって異なります。

今回比較する上でズーム倍率が最も低いAQUOS R8 proに合わせてサンプルを撮影してみました。

超広角で撮影。

今回のサンプルはAQUOS R8 pro/Galaxy S23/Xperia 1Ⅴ/Galaxy S23 Ultraの順番で撮影しているので予めご了承下さい。

超広角でも好みがでそうな画質になっていることを確認できます。

広角(1倍)で撮影。

雲が多い日にサンプルを撮影をしたとはいえAQUOS R8 proだけ極端に暗いことを確認できます。

Galaxy S23とGalaxy S23 Ultraでも色味が違うのが面白いですよね。

接写してみましたが、センサーサイズの問題なのかフォーカスの問題なのかGalaxy S23だけボケ感がちょっと弱く感じます。

Xperia 1Ⅴはボケモードで撮影して他の3機種はポートレートモードで撮影していますが、Galaxy S23 Ultraが一番まともでしょうか。ちょっと画像処理がどの機種もぐちゃぐちゃという感じ。

最短撮影距離の問題とは別に今回比較した4機種の中でXperia 1Ⅴのボケモードが一番使いにくいです。

望遠で撮影。

最初に1倍で撮影。

次に2倍で撮影しています。

そして3倍で撮影しており、Galaxy S23とGalaxy S23 Ultraは光学ズームになります。

AQUOS R8 proにとって最大となる6倍で撮影してみましたがGalaxy S23 Ultraの強さが引き立ちます。またナイトモードに関してXperia 1Ⅴのみはユーザーの任意で固定化させることが出来ません。

そのため撮影シーンによってナイトモードで撮影されたり撮影されなかったりします。今回他の3機種はナイトモードで手持ちで低照度のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。

ナイトモード(超広角)で撮影。

先ほどと同じくAQUOS R8 pro/Galaxy S23/Xperia 1Ⅴ/Galaxy S23 Ultraの順番で撮影しているのでご了承下さい。

このシーンだとXperia 1Ⅴはナイトモードに切り替わらなかった感じです。明確にAQUOSとXperiaは白飛びに弱い印象です。

ナイトモード(広角)で撮影。

AQUOS R8 proが全体的に白っぽく処理されるのが気になります。

Galaxyはちょっと赤みがかかった印象を受けます。

強い照明を撮影してみましたがAQUOS R8 proがちょっと白飛びにフレアがひどいという感じでしょうか。

ナイトモード(望遠)で撮影。

最初に3倍で撮影しています。

今度は4倍で撮影しています。

最後に5倍で撮影してみました。カメラに関しては何を求めるのかどのような使い方をしたいのかによって変わってきます。補正が強めのカメラが好きならGalaxy S23シリーズでズームに拘るならGalaxy S23 Ultraです。

そして動体の撮影に拘るならXperia 1Ⅴで何も考えたくないならAQUOS R8 proという感じです。

まとめ。

今回は今年の夏モデルでキャリアから販売されている4つのハイエンドモデルをざっくり比較。記事を作る前から思っていましたがめっちゃ手間がかかってどれだけの需要があるのか分からない。

冬モデルも機会があればざっくりとした比較を作ってみたいと思います。何より悩んでいるユーザーの手助けになれば幸いです。

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