Xperia 1Ⅳが国内で6月3日より発売されて早速購入したので先行レビューで試しきれなかった部分をレビューしてみました。詳細は「Xperia 1Ⅳ開封レビュー。結局発熱はちょっと不安が残る感じに」をご参照下さい。
また国内でサイズ感からも人気が高いXperia 5Ⅲと価格差が約8万円ある中その価格差の価値があるのかXperia 1Ⅳと比較レビューをしてみました。
詳細は「約8万円の価格差をどう捉えるか。Xperia 1ⅣとXperia 5Ⅲ徹底比較」をご参照下さい。さて今回異なるプロを意識したXperia 1ⅣとiPhone 14 Pro Maxの比較レビューをしてみたいと思います。
最初に結論。
最初に結論を言ってしまうと2020年以降のハイエンドXperiaを使ったことがないユーザーでiPhoneと悩んでいるのであれば個人的にはiPhone 14 Pro Maxを選んでおけば間違いないと思います。
Xperia 1Ⅳは癖が強いため購入後に合わなくて後悔する可能性がiPhoneと比較するとかなり高いと思います。トータルバランスが非常に高いiPhone 14 Pro Maxの方が買って後悔する確率はまだ低いと思います。
その上で気になるポイントを確認したいと思います。
デザインを比較。
まず評価が大きく分かれるのは取り回しのしやすさでディスプレイサイズが僅か0.2インチしか違いがないのにアスペクト比が大きく異なるためXperia 1Ⅳの方がかなり縦長となっています。
まずぱっと見縦長のデザインが嫌だと思うユーザーはXperiaを避けた方がいい。ただ一方で縦長であるからこそ横幅が圧倒的にスリム。
そしてサイドフレームが両機種ともフラットとはいえiPhone 14 Pro Maxは完全にフラットに対してXperia 1Ⅳの方は段階があってのフラットという感じです。
そのためかiPhone 14 Pro Maxの方が筐体サイズは薄いとはいえサイドフレームが手のひら部分につっかかる印象がありサイドフレームが光沢感がある質感のためツルツルしていて滑りやすいと思います。
あくまでも今回は同じ最上位モデルで比較していますがiPhone 14 Pro Maxは取り回しの良さを求める機種ではなく重さも240gと激重。
多くのユーザーは何かしらのフィルムとケースを使うと思います。アクセサリー込みでもちろん物によりますがXperia 1Ⅳは200gちょっとで収まるのに対してiPhone 14 Pro Maxは280g近くまでいくのでユーザーを選びます。
なので取り回しの良さはXperia 1Ⅳという感じです。
ちなみにiPhone 14 Pro Maxは前モデルの時にサイドフレームのコーティングが剥げやすいという声がありましたが手持ちでみた場合Xperia 1Ⅳも剥げやすいのでここは評価が個人的には難しいところです。
同じくマット仕上げを採用しており手持ちのカラバリでみればiPhone 14 Pro Maxの色の方が好きです。Xperia 1Ⅳのブラックはお馴染みのという感じですがiPhone 14 Pro Maxのこの黒の感じは久しぶりで逆に新鮮味を感じます。
カメラデザインは好みの問題ですがXperia 1Ⅳの方が明らかにすっきり。
フロント部分はパンチホールを使ったDynamic Islandが特徴の一つですがそもそもパンチホールがない。Xperia 1Ⅳには関係ない話でよりスッキリして見えます。
Xperia 1Ⅳは各メーカーの最上位モデルの中でも小柄ならサイズ感である一方でiPhone 14 Pro Maxは大柄な方だからこそ余計に差を感じます。
ディスプレイを比較。
次にディスプレイですが見やすさという面では圧倒的にiPhone 14 Pro Maxの方が優れている印象。コンテンツの大きさは単純に筐体の横幅があればあるほど大きく表示されるので横幅6mmの差は大きいです。
自分の視力ではXperia 1Ⅳでも不自由ないですが今後視力が低下してくれば評価が変わるかもしれません。
ただ縦長であるメリットも言えるのが同じコンテンツを表示する場合に一度に表示できる情報量が多い。自分はコンテンツの大きさよりも表示できる情報量が多い方が優先ですがユーザーによって評価が分かれる。
YouTubeを再生してみるとiPhone 14 Pro Maxの方がコンテンツ自体は大きく表示されます。いつも再生している動画自体のアスペクト比が21:9なのでXperia 1Ⅳの方が有利な条件ですがそれでもiPhone 14 Pro Maxの方が見やすい。
またXperia 1Ⅳではディスプレイ輝度が大幅に改善。表示するコンテンツによっては900nits程度になりますがiPhone 14 Pro Maxは標準表示でも1000nitsでHDR表示であれば1600nitsでやはり明るいです。
また屋外で使う場合Xperia 1Ⅳの輝度は不十分ですがiPhone 14 Pro Maxは2000nitsで表示されるため十分な明るさで見やすさ全般では圧倒的にiPhone 14 Pro Maxの方が優れている印象です。
一方でXperia 1Ⅳの方が黒の表現がしっかりしているので映像全体に臨場感を感じること。
また多くのスマホが4K撮影に対応していますがディスプレイ自体が非対応なのに対してXperia 1Ⅳは撮影したコンテンツをそのままの表示解像度で確認できるのは強みです。
ディスプレイの色味はちょっとXperia 1Ⅳが寒色系という感じでiPhone 14 Pro Maxは暖色系です。
個人的にはiPhone 14 Pro Maxのディスプレイはどんなシーンでも明るくて見やすいという印象。一方でXperia 1Ⅳは屋外でなければ明るく綺麗なディスプレイで見やすさよりも拘り優先という感じです。
そして同じく120Hz表示に対応していますがiPhone 14 Pro Maxは10Hzからの可変式に対応。ユーザー視点でみればディスプレイ上では特段メリットがなく消費電力の抑制で電池持ちの改善に貢献。
またiOSが重いということもありiPhone 14 Pro Maxはヌルヌル表示できますがXperia 1Ⅳは軽くサクサク表示できる感じで操作している際の感じ方は全く違います。
Xperia 1Ⅳの方が120Hz表示の恩恵が分かりやすくiPhone 14 Pro Maxの方が恩恵が分かりにくいという感じです。ユーザー数がそもそも多いということもありますがiPhoneユーザーの方が違いが分からないとの声が多い。
iPhone 14 Pro Maxは明るくて大きくヌルヌル表示でXperia 1Ⅳは高精細にサクサク表示する感じ。
あとiPhone 14 Pro Maxは常時表示ディスプレイに対応しましたがこれだけディスプレイが明るくてディスプレイの焼き付け問題が発生しないのかちょっと不安になります。
基礎スペックを比較。
そして基礎スペックに関して搭載しているOSが違うため単純に比較できません。例えばXperia 1ⅣのRAMは12GBに対してiPhone 14 Pro Maxは6GBと半分ですがバックグランドや通知の仕様などが異なることからもRAM6GBでも十分に快適に動作します。
少なくともApp Storeで配信されているアプリはRAM6GBでも十分に快適に動作できるように作られている。一方でストレージに関してiPhone 14 Pro Maxが1TBに対応。
ただSDカードスロットに非対応ですがXperia 1Ⅳは対応しておりSDカードと合わせると最大1.5TBまで対応。まずSDカードスロットで評価が分かれるところです。また通信関連に関して両機種ともeSIMに対応しています。
ただXperia 1Ⅳは物理SIM+eSIMの構成に対してiPhone 14 Pro MaxはDual eSIMの使い方もできる。あと個人的にiPhoneでDual SIMで使わないのはAndroidでいうアプリ複製機能がないからです。
通話とデータでSIMを分けている人はiPhoneでも十分だと思いますが仕事用とプライベート用でSIMを分けていてSNSもそれぞれで運用している人にとってはAndroidの方が汎用性が非常に高い印象です。
LINE一つとってもAndroidなら複製できてXperia 1Ⅳはツインアプリ機能に非対応ですがIslandなどのアプリを使うことで複製することは可能です。またXperia 1Ⅳはキャリアモデルのみミリ波に対応しています。
個人的にはミリ波の恩恵を日々の生活で受けることがないので問題ないですが今後iPhoneの国内版がミリ波に対応した際にそれだけで本体価格が1万円近く高くなる方が嫌という感じです。
そして次に発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回してみました。ちなみにベンチマークはiPhone用とAndroid用では違うために比較しても参考になりません。あくまでも3回と時間で見れば15分くらいです。
上記の画像はiPhone 14 Pro Maxを3回連続で回してみました。
次にXperia 1Ⅳで回してみました。Android用は内部温度を確認できるため分かりやすいのですがiPhone用は確認出来ないのでテスト終了後に外部温度を計測してみました。
外部温度(最高) | Xperia 1Ⅳ | 14 Pro Max |
1回目終了後 | 38.3度 | 37.7度 |
2回目終了後 | 40.3度 | 36.7度 |
3回目終了後 | 41.4度 | 39.4度 |
Xperia 1Ⅳの方がが内部温度が上がりやすくパフォーマンスの持続性も低いです。ただiPhoneも結構熱くなるのでユーザーの使い方によっては気になるかもしれません。
あくまでも個人的な体感ですがiPhone 12 Pro MaxよりはマシでiPhone 13 Pro Maxよりはひどいという感じ。ただXperia 1Ⅳと比較すれば発熱で不快に感じることはそこまでないと思います。
ちなみに低照度撮影のサンプルを撮影しにいった時はXperia 1Ⅳは結構熱くなっていましたがiPhone 14 Pro Maxは少し熱いという感じでカメラも使い方によってはiPhone 14 Pro Maxでも気になるかも。
iPhone 14 Pro Maxもまだ使い始めたばかりとはいえ自分の手持ちで発熱しやすい。
あとiPhone 13 Pro Maxではなかったですがベンチマークアプリが途中でフリーズすることやLINEポコポコの挙動がたまにおかしくなるのでiOS16の問題なのかちょっと不安定に感じます。
電池持ちに関してはiPhone 14 Pro Maxを使い始めたばかりなので評価は出来ませんが触っている感じだとiPhone 14 Pro Maxの方が電池の減りが遅い印象でおそらくXperia 1Ⅳよりは2割程度優秀な感じ。
今後しっかりと使っていきたいと思います。また充電速度は両機種とも速くはないけど気になるユーザーが多いと思うのが充電規格でiPhone 14 Pro MaxがLightningを採用していることだと思います。
個人的にはLightning経由でデータの移動などを行わない。さらに充電する場合はほぼワイヤレス充電で外出する際にケーブルが余計に1本増えるというデメリットはありますがそこまで困っていません。
むしろ充電速度は遅いとはいえMagSafeが使えるのは便利。AndroidでもMagSafeを使えるようにするマグネットシールみたいなのが販売されていますが基本ケースをつけたくない/本体にシールを貼りたくない自分にとってはiPhoneのMagSafeはかなり便利に感じます。
iPhone 12シリーズで対応して以降逆にAndroidメーカーがほぼパクらないのがちょっと不思議です。
そして生体認証はXperia 1Ⅳは電源ボタンに統合された指紋認証。個人的にはマスクでも利用可能になったFace IDの方が便利に感じます。手が濡れていようが真っ暗でも認証できることに加え3D顔認証なのでセキュリティも高いのがポイントです。
基本は顔認証よりも指紋認証の方が個人差や個体差に季節性なども出やすいので汎用性は低いと思います。ただXperia 1Ⅳの場合は画面内指紋センサーじゃないのでまだマシな方に感じます。
防水/防塵はIP68で共通でイヤホンジャックはXperia 1Ⅳのみ搭載しており差別化の一つになっています。
そして音量を50%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたが音量は明らかにiPhone 14 Pro Maxの方が大きい。ただ音圧に関してはXperia 1Ⅴの方がはっきり。
でもステレオ感が物足りなく聞こえると思うのでiPhone 14 Pro Maxの方が分かりやすい音だと思います。少なくとも外でスピーカーなしで楽しむといった使い方をするならiPhone 14 Pro Maxです。
まだAirPods Proの第二世代が届いていないため初代AirPods ProとペアリングしてXperia 1ⅣはWF-1000XM4とペアリングして聴くと音質の差がすごいやはりApple系の方がSony系と比較すると軽い。
またどちらも名称は違えど空間オーディオに対応。iPhone 14 Pro Maxは対応曲でしか楽しめないですがXperia 1Ⅳは非対応曲を擬似的にアップコンバードする360 Upmixに対応しているので個人的にはXperia 1Ⅳの方が楽しい印象。
音は慣れや好みの問題があると思いますがXperia 1Ⅳの方が音楽を聞き入りたくなる音質という感じでアクセサリーも合わせて考慮すると優れた印象を受けます。
カメラを比較。
そして最後のカメラを確認したいと思います。センサーサイズでみれば基本iPhone 14 Pro Maxが大きい。一方で48MPと高画素化しましたが基本はピクセルビニングをしているので12MPと一緒です。
またXperia 1Ⅳはペリスコープを搭載しており85mmから125mmの間は光学ズームに対応しているとはいえデジタル最大ズームは15倍程度とほぼ一緒。写真のサンプルをご確認下さい。
超広角で撮影。
まずiPhone 14 Pro Maxの超広角で撮影。
次にXperia 1Ⅳで撮影してみました。これくらいの環境だと色味に差はあれど白飛びや黒潰れに大きな差はありません。空を見る限りだとXperia 1Ⅳが白飛びしかけているというよりはiPhone 14 Pro Maxが分かりやすく補正されている感じです。
メインカメラセンサーで撮影。
次にiPhone 14 Pro Maxのメインカメラセンサーで撮影。
次にXperia 1Ⅳで撮影。このサンプルだとXperia 1Ⅳの方がしっかりと表現できています。
次にiPhone 14 Pro Maxで接写しようとしましたがマクロ撮影がオンになっているとこれ以上寄れません。
Xperia 1Ⅳだとしっかり寄れて撮影できます。Xperia 1Ⅳは1/1.7インチでiPhone 14 Pro Maxは1/1.3インチとセンサーサイズが全く違いますがXperia 1Ⅳでもしっかりボケ感を出せています。
そしてiPhone 14 Pro Maxでマクロ撮影をオフにして接写してみました。タップでフォーカスを合わせる必要がありますがしっかりとしたボケ感がある写真を撮影できます。
そしてXperia 1Ⅳでも同様に撮影しましたがメインカメラセンサーにおいてはやはりXperia 1Ⅳの方が単純に使いやすいです。
望遠で撮影。
次にiPhone 14 Pro Maxで3.5倍で撮影。
そしてXperia 1Ⅳでも同様に撮影。Xperia 1Ⅳは85mmで撮影しているので光学ズームの範囲です。
次にiPhone 14 Pro Maxで10倍で撮影。
Xperia 1Ⅳでも同様に撮影。
そしてiPhone 14 Pro Maxで15倍で撮影。
そしてXperia 1Ⅳでも撮影しましたが最大ズーム倍率になるとXperia 1Ⅳはペリスコープを搭載しているとはいえ画質はイマイチです。Xperia 1Ⅳはあくまでも125mm以下で撮影するのが無難です。
Xperia 1Ⅳは高速オートフォーカスにバースト撮影が強いことからも被写体が動体の撮影に強い。なので中距離撮影までで被写体が動体の場合に絶対的な強みを発揮できるという感じです。
一方でiPhone 14 Pro Maxはシャッターボタンを押してから保存されるまでのタイムラグがあるため被写体が動体の場合は手ぶれが発生することもあります。
またXperia 1Ⅳは光学式でみれば1倍の次が3倍と飛びますがiPhone 14 Pro Maxは48MPをクロップして実質光学式2倍で撮影できるのは便利でXperia 1Ⅳは画角差がありすぎるのがちょっと不便。
そしてiPhone 14 Pro Maxはマクロ撮影にも対応しておりポートレートモードにも対応しています。次に低照度の環境で三脚に固定した上でXperia 1Ⅳはマニュアルで撮影したのでサンプルをご確認下さい。
低照度の撮影。
まずiPhone 14 Pro Maxで撮影。
今回Xperia 1Ⅳは基本ISO64にシャッタースピードを8秒で撮影していますがやはり白飛びしやすい。時間がなかったので細かな調整はしていませんがノイズを少なくと白飛びを抑えるのはやはり難しい。
一方でiPhone 14 Pro Maxは従来のiPhoneと比較するとセンサーサイズが大型化したこともあるのか撮影時間は長くても3秒くらいで写真全体が変に明るくならないので個人的には好印象です。
次にiPhone 14 Pro Maxで撮影。
このサンプルだとXperia 1Ⅳも意外と頑張っている。
次にiPhone 14 Pro Maxで撮影。
手持ちでも撮影してみましたがXperia 1Ⅳは手ぶれが発生しやすいという感じです。
コンセプトが全く違うのでなんともですがiPhone 14 Pro Maxの方がiPhoneに任せられるので楽です。またSNSなどで求められている写真を簡単に撮影できるのがiPhone 14 Pro Maxという感じです。
基本Xperia 1Ⅳは撮影する前から拘って設定した上で撮影した後も編集して楽しみたい人向けです。一般ユーザーからすればXperia 1Ⅳのカメラはどうしても面倒と感じる人が多いと思います。
まとめ
今回はXperia 1ⅣとiPhone 14 Pro Maxを比較してみました。 一番分かりやすく評価が分かれるのはカメラだと思います。
そして今回はドコモ版でみた場合Xperia 1Ⅳが19万872円でiPhone 14 Pro Maxは22万330円で直販モデルの場合Xperia 1Ⅳは17万4900円に対してiPhone 14 Pro Maxは20万9800円と結構価格差あり。
ただ高くてもiPhone 14 Pro Maxの方が失敗したなと思うことは少ないと思います。
あとは今回触れていませんがXperia 1Ⅳはゲームエンハンサー機能やライブストリーミング機能にMusic Proに対応しているので変態性が強い機能を搭載しているのでこの辺をどう評価するだと思います。
基本はXperia 1Ⅳの方が多くのユーザーにとって必要性を感じないスペックを搭載しておりこの変態性こそがsonyの拘りでここにこそXperia 1Ⅳの魅力が詰まっているという感じです。
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